• コロナを経て変化した出会いの場。リアルとデジタルが融合した新しい出会いのカタチとは——
特集

コロナを経て変化した出会いの場。リアルとデジタルが融合した新しい出会いのカタチとは——

Vol.8 相席居酒屋・THE SINGLE


約10年程前に一世を風靡した「街コン」――
それから10年の時を経て、現在は相席居酒屋などの相席業態やマッチングアプリなどの様々な新しい出会いの場が増えた。

その中でも今では知らない人はいないと言っても過言ではない、「相席居酒屋」という業態を初めて作り、相席〇〇といった言葉のはしりを造ったのが株式会社セクションエイト(以下:セクションエイト)である。

今回、相席居酒屋をはじめとしたThe Public standやTHE SINGLEなどの数多くの出会いの場を提供しているセクションエイトの専務取締役 太田光則氏に話を伺った。


相席屋誕生の経緯

街コンが流行っていた当時、セクションエイトは街コンに飲食店としてお店を貸す側だったという。
そしてそこで街コン参加者からの、参加することへの手間や不便の声を耳にし、婚活×居酒屋というコンセプトの業態は需要があり、面白いのではないかという発想のもと相席屋が生まれた。


急速に店舗拡大を行った背景

相席屋が脚光を浴びると同時に、それに乗じて模倣店が数多く乱立した。
相席屋の名前やロゴに近しいものを使用し、全く異なる店が相席屋ブランドを使って集客を行うことも日常茶飯事であった。そして質の低い模倣店が問題を起こすことが散見され、相席屋という業態のブランドイメージを下げられてしまうことも多々あった。

セクションエイトは、相席居酒屋市場が飽和状態となる前に、そして自分たちが相席居酒屋の第一人者であることを確立する為に、今ここで一気に畳みかけなければと思い行動に移した。自社ブランドの「居酒屋はなこ」を全て閉店し相席居酒屋に転換したことを皮切りに、3年間で異例の50店舗以上もの出店を行った。それが功を奏し、今では相席業態市場でセクションエイトの右に出るものはいない。


コロナによる転換

コロナはセクションエイトに様々な影響を及ぼした。
相席居酒屋に関しては、対面で不特定多数の人とお酒を飲み交わすこの業態はコロナによってかなり不利な立場へ追い込まれ、FC店含めて約30~40店舗閉店した。
また、閉店していなくとも各店舗の規模がかなり大きい為、維持費もかなり掛かった。

そしてコロナによって、出会いの場が職場や合コンといった”リアル”な場からマッチングアプリやSNSなどの”デジタル”な場の比率が増えていった。

そんな中、セクションエイト内で新しい業態となる「THE SINGLE」を2019年10月に赤坂にて出店。
THE SINGLEとは、会員制による完全個室の1対1の相席ラウンジである。
相席屋には最低2人からでしか入店出来ないルールがあったが、THE SINGLEは気兼ねなく1人で行けるので、相席屋とはまた違った、似て非なる業態である。

またコロナの影響で”ソロ活”や”ソロ飯”といった1人で何かをするソロ〇〇という言葉がオーソドックスに使われるようになり、THE SINGLEという業態は非常にこの時代にマッチしているといえる。そんなTHE SINGLEは今では7店舗まで拡大しており、会員数が総勢約126,569人と大きな反響を得ている。


細部へのこだわり

セクションエイトは全ての店舗内装に工夫を凝らしている。
店舗によってこだわっている箇所は異なる部分もあるが、例えば、滞在時間を長くさせる為、居心地の良さを椅子の座面角度にこだわっている。

またThe Public standでは、店内のカウンタースツールやベンチ椅子は少し高い位置に設定されている。
何故なら女性は身長が低く方が多く、男性が入口から店内を見た際に女性が少ない印象にうつる。しかし背の高い椅子へ女性に座ってもらうことによって、きちんと女性がいることがアピール出来る。
また店内に鏡を張り巡らすことにより、常に人が多くいるような印象を持たせるよう働きかけている。

【The Public stand 新宿歌舞伎町店】

そしてTHE SINGLEの店内ソファーはほとんど全てL字型になっている。
U字型やコの字型、様々試してみたがL字型が1番滞在時間が長く、客の居心地がいい統計が取れている。
また女性が座る位置は予め決まっており、直接ライトが女性に当たらないような配慮がされている。
 
【THE SINGLE:恵比寿店】

上記はセクションエイトがこだわっている中の一部に過ぎない。
また出店する場所にももちろんこだわりがある。
相席屋は大きく看板が取れるところ、そして空中階で出店を行っていた。
看板に関してはテレビCMをうつよりも、あの街にあの店が出来たとよりダイレクトに伝わるのが看板だという。
そして多くの飲食店は1階の路面に店を構えることを希望するが、相席屋という業態は店に入っていく姿はなるべく人に見られたくないと思う客への配慮から空中階や地下に出店されている。

セクションエイトのどの業態をとっても、出店から内装までの細部にまで行き渡っているこだわりや工夫、配慮がセクションエイトをここまで大きくした要因の一つであると言える。


マッチングアプリとの競合

コロナ以降流行しているマッチングアプリは、アプリ内で異性の相手を探し、マッチをして連絡を取り始めてから実際に会う。会うところまでは完全にデジタル内で完結しているような形態だ。
逆に相席屋はリアルな出会いの場だ。実際に人に会って、話をしてから相手を判断をすることが出来るので、マッチングアプリとは異なり、出会えないということはまずない。

そして、デジタルとリアルが融合された業態がTHE SINGLEである。
THE SINGLEは完全会員制の為、専用アプリへの登録が必要だ。実際店内で会った人とアプリを通じて連絡を取り合うことが出来たり、マッチした人からの評価や来店回数によってランクが付けられる。
新宿にあるTHE SINGLE high-classは、THE SINGLEのランクの中でも上位10%の会員のみが利用出来る店舗である。
THE SINGLEは¥25,000/20分、THE SINGLE high-classは¥50,000/20分という価格設定になっており、いずれの店舗でもマッチングアプリより効率的に出会え、尚且つコスパもいいという点でマッチングアプリより優れている。

THE SINGLEは店ありきではなく、会員ありきで運営している業態なのでここまで会員数を集められること、そしてその中で秩序を持って会員たちが安心して出会える場を提供出来るのは、セクションエイトだからこと成せる業であると私は思う。

飲食業界に新しい風を吹き込み、未だかつてないサービスの提供に挑み続けるセクションエイトは、今後も世界に新しい価値や可能性を示してくれるだろう。

 

 



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