スペシャルインタビュー

ブームの中を、個人商店が生き残る術

vol.9 さつまいもブームの行く末と、ブームを個人商店が生き残る術


 

ここ数年、さつまいもブームが到来している。

理由については諸説あるが、1年を通してさつまいもを目にしない日はない。
なぜなら大手スーパーやドン・キホーテなどで焼き芋を焼く電気オーブンが導入され、秋冬の風物詩されていた焼き芋が年間を通して売られるようになったからだ。
こうして手軽に焼き芋を購入出来るようになったことや、コロナを機にテイクアウト・デリバリー需要が向上した為に、“さつまいも専門店”が急増した。
だがコロナが収束に向かうにつれてさつまいもブームもピークを迎え、現在では収まりつつある。
それでもまだまだ人気のあるさつまいもについて、ブームとなる前から清澄白河に「oimo lab.」という店舗を構え、運営をしている株式会社マキシマム・インダストリーの代表取締役の志村氏に話を伺った。

oimo lab. 開業までの経緯

oimo lab.を開業する約6年前、志村氏は茨城県の農産物PR活動の手伝いをしていた。
当時のPR活動を通して知り合った茨城県鉾田市・國井氏が生産している「シルクスイート」の美味しさに感銘を受け、是非國井氏が作っているさつまいもで店舗を立ち上げたいと思い、オファーを出した。
その熱意が買われ現在では國井氏のシルクスイートを使用したさつまいも専門店を立ち上げることに成功。
さつまいもの確保に成功し、次は出店先の物件探しを始めた。
当初、外国人の観光客の多い浅草や鎌倉での出店先を探していたが賃料が想定していたより高額だった為に断念。
志村氏は出店するにあたって、融資などを受けずに全て自己資金での開業を希望していた。
様々なエリアを検討するもなかなかしっくりくる物件やエリアに出会えなかった。
そんな時、当時数年前にブルーボトルコーヒーが日本に初上陸した清澄白河が知る人ぞ知る食べ歩き・飲み歩きエリアであると知人に聞き、興味を持った。
それまで縁も所縁もなかった清澄白河だったが、実際に足を運び、街を目にし、これから発展していく街であると確信した志村氏は清澄白河での出店を決意。

 

理想と現実

ただ出店から5年経った今となっては、融資を受けてでも浅草や鎌倉などの繁華街に出すべきであったと語る。
なぜならさつまいもがコロナを機に急速にブームとなったからだ。
タピオカブームがいい例だが、需要が増えると大手飲食企業が市場に参入してくる。
大手飲食企業は資金面は潤沢で、マーケティングや商品開発など様々な面で優勢である為、個人商店が生き残れずに潰れていくところも少なくない。
また志村氏の店は“飲食店”ではなかった為、コロナの時期に国から飲食店に向けて出た補助金を貰うことが出来なかった。
その為、出店した際に全て自分の出来る範囲で店舗運営を行っていきたいという思いがあり融資を受けてこなかったが、ここに来て融資を受けざるを得なかった。
現在は客足は以前に比べれば戻りつつあるが、融資の返済に未だに足を引っ張られている状態である。
コロナの影響と、さつまいもブームの影響で競合店が多く出てきた、この厳しい状況を生き残る術は、どれだけさつまいもに向き合い、そして美味しい+アルファでお客様に何を提供出来るかが重要であると志村氏は語る。

【左から順に、國井さんのプレミアムシルクスイート・oimo缶・やきいもプリン(オンラインショップ:https://www.oimo-lab.net/shop/products/list.php?transactionid=8a44f5ad3dd409d74869a83ce33e50e3bdaee921)】

 

さつまいもブームの行く末は、、、

昨年さいたまスーパーアリーナにておこなわれた日本最大級規模の「夏のさつまいも博」で、さつまいもは夏でも美味しく食べられるものという認識が高まった。
そして今年も新宿にて「夏のさつまいも博2023」が開催される。
oimo lab.はそこへの出店が決まっており、新作スイーツの開発に勤しんでいる。
志村氏は、今年開催される夏のさつまいも博で今後の芋ブームの未来が見えてくるのではないかと考えている。
ブームが過ぎていく中で踏ん張り、生き残っていける店舗はほんの一握りである。
どのような施策を打ち出し、どのようなさつまいも専門店が残るのか、さつまいもブームの行く末がどうなっていくのか楽しみである。
そして一足早くさつまいもブームの行く末を垣間見たい方は是非「夏のさつまいも博2023」へ足を運んでみては如何だろうか。

 

【夏のさつまいも博 詳細】

■開催日時:2023年8月17日(木)~8月20日(日)10:00~20:00 ※最終日は17:30迄
■会場:東京都新宿区西新宿2-6-1


 

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