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失敗しない隠れ家店舗の選び方!路地裏・2階でも選ばれる店になる3つの戦略

はじめまして。テナント仲介サービスTEMPOLYの井関です。TEMPOLYでは普段、都内を中心に、 毎月400~500件の物件情報データ更新を行い、常時掲載している2000件以上の物件情報の中から様々なオーナーさんの条件に合う物件探しを支援しております。独自の人流データや商圏分析データに強みのあるTEMPOLYでは、家賃や坪数だけで判断せず、適正家賃か、エリアの人流はどうか、など商圏の動きもセットで見て、勝ち筋があるかを一緒に検討しています。

「路地裏はおしゃれだし賃料も安いけど、誰も来なかったらどうしよう…」そんな不安を抱えていませんか?

こうした隠れ家立地は「わざわざ行く理由」と「オンライン導線」をセットで作れれば、低家賃の武器になります。家賃を抑えた分を「内装」や「広告」へ投資し、独自のブランド資産を築けます。

そこで、この記事では、隠れ家立地が悪立地で終わるパターンと、隠れ家立地だからこそ実現できる強いブランドづくり、そしてテナント仲介をどう味方につければいいかを、都内の出店支援をしてきた現場の視点からお話ししていきます。

物販・サロン・飲食、それぞれの違いにも触れながらお伝えするので、うちの業態にも当てはまりそうだなとイメージしながら読んでいただけたらうれしいです。

隠れ家立地は悪立地ではなく、戦略次第で武器になる

1-1 悪立地と隠れ家立地/分かれ目になる導線設計

まず整理しておきたいのが、悪立地と隠れ家立地は同じではないという点です。

悪立地とは、単純にお客さまから見つけてもらえない場所で終わってしまっている状態です。たとえば、次のようなケースとなります。

  • 人通りがほとんどないのに、通りがかり客頼みの安い定食屋を出してしまう
  • 駅からの導線が複雑なのに、道案内も看板もなく放置している
  • ビルの奥にあるのに、地図情報や写真がほとんどない

こうしたケースは、残念ながら悪立地で失敗するパターンです。

一方で隠れ家立地とは、わざわざ行く理由がはっきりしていて、少し分かりにくくてもそれを上回る体験が用意されており、オンラインとオフラインの導線を事前にしっかり設計したうえで選ぶ立地となります。

同じ路地裏でも、看板の出し方や世界観の作り込み、ターゲットとの相性次第で、知る人ぞ知る人気店にも、誰にも知られないまま終わる店にもなり得るんですね。

1-2 隠れ家立地が向きやすい業態と向きにくい業態

隠れ家立地は、業態との相性がとてもはっきりします。都内でのご相談を見ていると、特に相性が良いのは次のようなパターンとなります。

  • 飲食/コース料理中心のレストラン、ワインバー、日本酒バー、完全予約制の小料理屋
  • サロン/予約制の美容室、エステ、整体、プライベートジム、リラクゼーションサロン
  • 物販/世界観をしっかり作り込むアパレル、雑貨店、ギャラリー兼ショップ、専門食材店

これらに共通しているポイントは次の三つです。

  • 客単価がある程度高い
  • 一人あたりの滞在時間が比較的長い
  • ここで買いたい、ここで過ごしたいという目的を持って来てもらう前提になっている

逆に、隠れ家立地だと厳しくなりやすいのは、ランチ激戦区で回転率勝負の定食屋やカレー屋、とにかく安さとスピードで勝負する物販チェーン、テイクアウト比率が高いカウンター業態など。通りがかりの人にどれだけ入ってもらえるかが勝負どころの業態は、隠れ家立地との相性を慎重に見た方がいいですね。

3タイプの隠れ家立地と物販・サロン・飲食の具体的な向き不向き

2-1 路地裏・細い路地の店舗

表通りから一本入った路地裏は、見つけた人だけが知っている特別感を出しやすい立地です。実際、都内の人気ビストロやワインバー、セレクトショップには、このパターンがかなり多いですね。主なメリットは次の三つとなります。

  • 表通りの物件より賃料が抑えやすい
  • 静けさがあり、お店の世界観を作り込みやすい
  • 「自分だけが知っている特別な場所」として、SNSでシェアしたくなる

一方で、放っておくと見つけてもらえないというリスクもあります。飲食の場合は、夜に女性が一人で歩いても怖くないか、雨の日でも来てもらえるかといった視点も大事です。

サロンや物販の場合も、場所が分かりにくい不安と、訪れた時の安心感のバランスをどう設計するかがポイントですね。

2-2 ビルの二階以上・地下店舗

二階以上や地下店舗は、通りすがりの新規客には期待しづらい一方で、プライベート感や特別感を出しやすい立地となります。完全予約制のレストラン、会員制バー、人目を気にせず通いたいプライベートジムやサロンなど、来る人を絞り込めば絞り込むほど価値が増す業態とは相性がいいですね。

ただし、ここでも導線設計が甘いと一気に失敗パターンに寄ってしまいます。特に次のような点は要注意です。

  • ビル入口が暗くて怖い
  • エレベーターの場所が分かりづらい
  • 階段が雑然としていて不安になる

細かい部分ですがこうした要素は、2回目の予約につながるかどうかを左右することもあります。特に隠れ家店舗は、わざわざ探していかないと見つかりづらい場所にあるからこそ、こうした細かいことに気配りして、リピート利用や紹介を生みやすくすることが集客のポイントになったりします。

2-3 住宅街の一軒家・長屋型店舗

住宅街にある一軒家や長屋を改装した店舗は、日常のすぐそばにある特別な場所という世界観を作りやすい立地です。たとえば次のようなお店をイメージすると分かりやすいと思います。

  • 地元住民が通うベーカリーやコーヒースタンド
  • 近隣住民が集まるサロンや整体
  • 週末にゆっくり訪れる雑貨店やギャラリー

こうした地域コミュニティと一緒に育っていく店を目指すには、とても良い選択肢ですね。

ただし重要なのは、その住宅街に自分のターゲットが本当に住んでいるかどうかです。高単価なフレンチとそのエリアの平均世帯年収、高額な美容メニューと周辺の年齢層や職業、マニアックな雑貨と近隣のライフスタイルなどがズレていると、そもそも通ってくれる人がいないという状況になりかねません。ここは人流データや統計を使って、数字で冷静に確認しておきたいポイントですね。

隠れ家立地のメリットをどう生かすか

3-1 賃料を抑えて攻めに使えるお金をつくる

隠れ家立地の一番分かりやすいメリットは、やはり賃料です。同じ広さでも、表通りの一階路面と路地裏の二階では、家賃が大きく違うことも珍しくありません。

家賃が抑えられると、開業初期の売上が読めない期間を乗り越えやすくなり、攻めに使えるお金も生まれます。例えば、次のようなお金の使い方がしやすくなります。

  • 人件費や内装のグレードアップに資金を充てられる
  • 集客のための広告費やSNS運用に余裕を持って取り組める

飲食であれば食材の質を妥協せずに済みますし、サロンであれば施術ベッドや機器のグレードを上げやすくなります。物販でも、什器やディスプレイにしっかり投資して世界観を作り込めるのは大きいですね。

3-2 静けさと余白と世界観をつくりやすい

静かな時間と周りから切り離された感覚は、隠れ家立地が持つ大きな武器です。

カウンター八席だけのバー、一日数組限定のサロン、ゆっくり本と服を選べる物販店などにとって、静かな時間と周囲から切り離された空気感は、とても大きな価値になります。

特に飲食店では、ガヤガヤしたチェーン店とは違う時間を過ごせる場所というだけで、選ばれる理由になりますね。

3-3 競合が少ないからこそ自分らしさを出しやすい

プライム立地の一等地は、確かに人通りは多いものの、競合もひしめいています。正面から価格や品揃え、便利さで勝ち続けるのは、なかなか大変です。

一方で隠れ家立地は、そもそも同じような業態が少ないことも多く、このエリアでこの体験ができるのはここだけというポジションを取りやすいのが特徴と言えます。

  • 路地裏のワインバーだからこそできる、ゆったりとした上質なサービス
  • 住宅街の一軒家サロンだからこそ伝わる、パーソナルな体験と満足感
  • ビル二階のギャラリー兼ショップだからこそ味わえる、日常からの切り離され感

こうしたここに来る理由を積み重ねていくことで、隠れ家立地はブランド資産になっていくのです。

隠れ家店舗が失敗するパターンとTEMPOLYが止めるケース

隠れ家店舗の失敗パターンは、主に次の三つに集約されます。

  • 良い店なら見つけてもらえるという思い込み
  • コンセプトとエリア客層のミスマッチ
  • 固定費と集客コストのバランスが崩れている

これらを避けることが、悪立地で終わらないための前提条件です。

4-1 良い店なら見つけてもらえるという思い込み

隠れ家店舗の失敗で一番多いのが、良いものを出していれば、いつか自然と見つけてもらえるだろうという考え方です。

もちろん料理やサービス、商品の質は大前提として大切です。ただ、隠れ家立地の場合、それだけでは足りないことがほとんど。

オンラインのMEOやSNSと、オフラインの看板や導線をしっかり設計して、初めて良い店がさらに続いていく状態になります。

ここを立地任せにしてしまうと、家賃は安いけれど集客コストと時間がどんどん膨らんでいくという悪循環に陥りやすいですね。

4-2 コンセプトとエリア客層のミスマッチ

もう一つ多いのが、コンセプトと周辺の客層が合っていないパターンです。

若者の居酒屋が多いエリアの路地裏に高単価なオーセンティックバーを出す、オフィス街ど真ん中に平日昼間しか開けない住宅街向けサロンを出す、学生街の外れに富裕層向けのギフト雑貨店を出すなど、極端に書きましたが、実際に似たようなケースはよくあります。

こうしたミスマッチは、見学した時のなんとなく良さそうという印象だけでは気づきづらいので、人流データや周辺テナントの客単価などをセットで見ていく必要があるのです。

TEMPOLYでは、こうしたミスマッチが起こりそうな時は、立地は素敵なのですが、このコンセプトと価格帯だとこのエリアではかなり苦戦しそうですと、はっきりお伝えするようにしています。

正直にお伝えした結果として今回は見送りますとなることもありますが、むしろそれでいいと考えています。やめた方がいい物件は、きちんとやめましょうと言うのが私たちの役割だと思っているからです。

4-3 固定費と集客コストのバランスが崩れている

隠れ家立地は家賃が抑えられる分、なんとなく何とかなるだろうと思いたくなります。ただ実際には、広告費やSNS運用の時間、人件費などが、もう一つの固定費として効いてきます。

事前に、次のような点を数字で考えておきたいところです。

  • MEO対策やWeb広告に月三万〜十万円の予算を確保できるか
  • SNS運用にどれくらいの人と時間を割けるか
  • リピーター施策にどのくらい投資できるか

TEMPOLYの現場でも、この家賃ならいけそうに見えますが、この客単価とこの導線だと広告費がかなり膨らみそうですと、計画段階でブレーキをかけるケースが実際にあります。

発見される隠れ家にするための導線・集客設計

5-1 駅から店のドアまでを全部設計する

隠れ家立地では、駅から店のドアまでの数分間をいかに丁寧に設計するかが、集客の生命線になります。

具体的には、次のようなポイントを一つひとつ潰していくことです。

  • どの角で人が迷いやすいか
  • どこに看板を出せるか、どんなデザインにするか
  • 夜に歩いた時、怖くないか、暗すぎないか

これらを事前に整理しておくことで、現地に着いたけれどよく分からないから今日はやめておこうという離脱を防げます。飲食でもサロンでも物販でも、初めて来るお客さまにとっては、この最後の数十メートルが一番不安な時間なんですね。

5-2 GoogleマップとSNSで迷わせない仕組みをつくる

オンライン側では、GoogleビジネスプロフィールとSNSの使い方がとても重要です。特に、次のような写真を丁寧に載せておきたいところです。

  • お店の外観写真/遠景と近景
  • 入口の写真やビルのエントランスの写真
  • 曲がり角から見た看板の写真

これだけでも、本当にここで合っているのかなという不安をかなり減らせます。Instagramで駅からの行き方をストーリーズやリールで紹介しているお店は、やはり来店率が高い印象ですね。

5-3 少し分かりにくいを価値として伝える

アクセス情報や予約ページでは、あえて少し分かりにくい場所にありますが、その分静かで特別な時間をお過ごしいただけます、といった形で不便さを言語化してしまうのも一つの手です。不便さを隠すのではなく、その不便さを上回る体験がありますよと最初から伝えておくことで、お客さまの期待値をいい意味で調整できるんですね。

リピーターが育つ隠れ家ビジネスモデル

6-1 新規集客よりまた来たい理由を増やす

隠れ家立地は、新規の集客コストがどうしても高くなりがちです。その分、どうリピーターになってもらうかにしっかり投資することが、長く続くお店づくりのポイントです。

例えば、次のような仕組みが考えられます。

  • 次回来店特典やスタンプカード
  • 会員限定メニューや先行予約
  • LINEやメールでのやさしいお知らせ

小さくても続けやすい仕組みを組み合わせて、またここに来たいなと感じてもらう接点を増やしていきたいですね。

6-2 会員制・紹介制・ECとの掛け算

特に飲食店やサロン、こだわりの強い物販店では、会員制や紹介制、オンラインショップやギフト券などとの掛け算が相性の良い戦略になります。

飲食店の例でいえば、次のような取り組みです。

  • 会員限定コースやペアリングディナー
  • 常連さんだけが参加できる試飲会や生産者とのイベント
  • ギフト券やお取り寄せセットの販売

サロンであれば会員制メニューやホームケア商品のEC販売、物販店であれば店舗での出会いをきっかけに、オンラインでリピート購入ができるようにしておくと、遠くに引っ越しても応援し続けてもらえる店になっていきます。

出店前に確認したい隠れ家立地チェックリスト

最後に、物販・サロン・飲食、どの業態にも共通する隠れ家立地チェックリストをまとめておきます。気になる物件が出てきた時は、一度この観点で見直してみてください。

【立地・エリアのチェック】

  • 自分のターゲットは、このエリアにどのくらいいそうか
  • 昼と夜、平日と休日で、人の顔ぶれはどう変わるか
  • 周辺テナントの客単価や雰囲気と、自店のコンセプトは合っているか

【導線・看板のチェック】

  • 駅から店のドアまで、迷いやすいポイントはどこか
  • そのポイントに、看板や矢印サインを出せるか
  • 夜に歩いた時、怖くない明るさになっているか

【業態・数字のチェック】

  • この客単価とこの回転率で、この家賃と集客コストを本当に賄えるか
  • 新規集客コストを回収できるだけのリピーター施策を用意できそうか
  • わざわざ来る理由は何か、それは立地の不便さを上回っているか

このあたりを一緒に整理しながら物件を探していくと、なんとなく良さそうだから決めたけれど、あとから不安になってきたという状態はかなり減らせます。

まとめ/隠れ家立地をリスクではなくブランド資産に変えるために

隠れ家立地は、たしかにリスクもありますが、賃料や静けさ、世界観という大きな武器にもなり得る選択肢です。物販でもサロンでも飲食でも、わざわざ行きたい理由をきちんと設計してあげれば、立地の不便さはむしろブランドの一部になっていきます。

隠れ家立地を成功させるために、忘れてはいけないポイントは三つです。

  • 導線設計/駅から店のドアまでの不安をオンラインとオフラインの両方で潰す
  • 客層検証/人流データでターゲットとのミスマッチを数字で防ぐ
  • ビジネスモデル/新規集客よりまた来たい理由に投資する

そしてもう一つ大切なのは、やめた方がいい物件はきちんとやめる勇気です。テンションが上がっている時ほど、冷静な第三者の目線が必要になりますね。

路地裏や二階で、うちの業態は本当に大丈夫だろうかと不安がある段階でこそ、ご相談ください。条件整理から人流データを使ったエリア比較、具体的な物件のご提案まで、私たちTEMPOLYが伴走しながら一緒に考えていきます。あなたのお店らしい、続けていける隠れ家立地を、一緒に探していきましょう!

 

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