こんにちは!テナント仲介サービスTEMPOLYの井関です。TEMPOLYでは普段、都内を中心に、 毎月400~500件の物件情報データ更新を行い、常時掲載している2000件以上の物件情報 の中から様々なオーナーさんの条件に合う物件探しを支援しております。独自の人流データや商圏分析データに強みのあるTEMPOLYでは、家賃や坪数だけで判断せず、適正家賃か、エリアの人流はどうか、など商圏の動きもセットで見て、勝ち筋があるかを一緒に検討しています。
「店舗用の不動産屋って、住宅の窓口と何が違うの?」
初めての出店を考える際、まずこの疑問にぶつかる方は多いはずです。
店舗探しで一番怖いのは、やっぱり契約関連ですよね。テナント契約の場合、住宅と違って保証金が10ヶ月分も必要になることがありますし、退去時に「全部壊してコンクリートむき出しに戻せ」と高額な原状回復費用を請求されるなんてことも……。
そこでこの記事では、都内5,000件以上の支援実績を持つTEMPOLYが、「失敗しない不動産会社の選び方」と「退去時まで見据えたチェックポイント」を解説します。
この記事を読み終えるころには、もう契約の不安に悩まず、素敵な物件を見つけられるようになっているはずです!
なぜ店舗探しにおいて、不動産会社選びが大事なのか
店舗の物件探しで、場所と家賃ばかりを見ていませんか?店舗物件は、住宅と違い「契約の落とし穴」が非常に多いのが特徴です。ここでは、失敗を防ぐために絶対知っておくべき3つの違いを解説します。優秀な不動産会社を見つけておけば、初めての店舗経営における物件選びや契約交渉を全面サポートしてもらえます。
店舗物件と住宅の契約は違いだらけ!
本気で店舗開業で夢を叶えたいなら、まず物件選びの常識を捨てましょう。
住宅契約と店舗契約は、お金と契約の面で、根本的に違います。この違いを知らないと、資金がショートしたり、事業を続けられなくなったりします。
店舗を借りる際の初期費用は、住宅とは比べ物にならない高さです。店舗で払う保証金は家賃の6ヶ月分から12ヶ月分が目安。家賃30万円の店だと、保証金だけで360万円かかる計算です。
店舗物件と住宅では、契約のしくみも大きく違います。店舗物件は、契約期間で必ず終わる「定期借家契約」が使われるケースがほとんどです。この方式の場合、もしお店が繁盛していたとしても、大家さんの都合で店から出ていかなくてはならない可能性があります。
また、退去時には基本「原状回復(スケルトン戻し)」です。店舗契約では、借主負担でコンクリートむき出しの状態に戻すのが基本。例えば内装工事に500万円かけたとしても、退去時にはさらに解体費用として坪あたり5万〜10万円ほど(20坪なら100〜200万円)がかかる計算になります。
不動産会社がうまく動いてくれれば成功に近づく
店舗経営を成功させるうえで、不動産会社選びは非常に重要です。というのも、良い不動産会社は、単なる物件紹介業者ではありません。物件選びだけでなく、契約後のトラブルを減らし、店舗運営で起きる様々な出来事を一緒に確認していく、いわば最高のパートナーです。
専門知識を持つ不動産会社は、店舗経営者の味方として動いてくれます。初期費用の計算や、大家さんとの契約交渉で頼りになるのはもちろんのこと、地域の法的な決まり、例えば「この場所は飲食店にしていいか」という用途変更などを事前に調べてくれます。だから、後になって「営業できない」といった大きなトラブルを未然に防げるのです。
また、優れた不動産会社は周辺地域の情報に強く、大家さんとのパイプが太いケースも多いです。そのため、一般のサイトには出ていない非公開の優良物件を、いち早く手に入れられる可能性があります。
後悔しない不動産会社の選び方
店舗の物件探しで失敗したくないなら、不動産会社選びはとても大切です。
会社の専門分野や規模、地域密着型かどうか。どの会社を選ぶかで、店舗の未来が左右されるため、慎重な会社探しが大切です。ポイントは2つ。不動産会社の専門性や特徴を理解することと、担当者の善し悪しを理解することです。
POINT1. 自分の店の規模や業態によって実績のある会社を選ぼう!
不動産会社は、大きく分けて2種類あります。テナント物件に特化した専門会社と住宅から商業までを総合的に扱う総合不動産屋です。2社にはそれぞれ別の強みがあります。
テナントを扱う専門会社
テナント専門の会社は、商業施設や事業用途に特化した知識を豊富に持っています。また掲載されている物件がテナントに特化しているため、店舗向けの優良物件を効率よく探せますよ。業種や広さ、家賃といった細かい条件での検索に強く、一般には公開されない非公開物件の情報を持っている可能性も高いです。TEMPOLYでは、「その立地で適正な家賃か?」を周辺の人流データから論理的にアドバイスできるような仕組みも準備しています。
総合不動産屋
総合不動産屋は、地域に根差した幅広い情報網を持っています。近隣の住宅の賃料相場などにも詳しいでしょう。また、物件の大家さんが、店舗と住宅の両方を所有している場合も少なくありません。そのため、専門会社よりも融通を利かせやすいケースがあります。
しかし、特に住宅の仲介がメインの会社だと、店舗物件特有の知識が足りない場合があります。店舗特有のルール(原状回復や消防法など)を知らないまま契約すると、後から思わぬ追加費用や営業停止のトラブルを招きます。総合不動産屋を選ぶときはそのあたりは慎重に確認してみましょう。
自分の店の規模や業態によっても選び方は変わる
あなたの店の規模や業態によっても、選ぶべき不動産会社のタイプは変わります。出店計画に合わせて、最適な会社を選ぶのが賢いやり方です。
重飲食用の厨房が必要な店なら、設備制限に詳しいテナント専門会社に相談するのが近道です。郊外の大きなロードサイド店を探す場合も、その物件形態に詳しい会社が良いですね。一方、出店する場所や人通りが認識できており、「この通りのこの物件がいい」と絞り込めているのであれば、地元密着型の会社が適しています。
地元密着型と大手不動産それぞれのメリット
地元密着型の会社なら、ネットに出ない「来月空く予定の物件」をいち早く教えてくれる可能性が高まります。また、出展するエリアの質や、人の流れを深く理解しているでしょう。地元の大家さんとの個人的なコネクションも強いです。そのため、空きテナント情報を早く掴むことができ、大手にはない掘り出し物の非公開物件を紹介してもらえるでしょう。地元特有の法規制にも詳しいため、手続きがスムーズに進むはずです。
全国展開している大手企業を使うメリット・デメリット
全国展開している大手企業は、広いエリアの情報収集力が業界トップクラスです。もし今後多店舗展開を計画するのであれば、高いレベルのコンプライアンス体制が整っている大手企業はきっと役立つはずです。
しかし、大手は細かいエリアごとの商圏特性を把握しきれてはいません。地元の大家さんとの非公式な交渉ルートを持たない場合が多く、地元の小さな優良物件を見逃してしまう可能性があることは知っておきましょう。
POINT2. 信頼できる担当者を見極めよう!
あなたのパートナーとなる担当者が信頼できるかを見極めるためのチェックポイントをお伝えします。
まず、単に物件リストを出してくる担当者がはダメです。出店希望エリアの具体的な課題を説明できるか確認してみましょう。例えば、「通行量の多い道路で客の流れはどう分断されているか」など、具体的な事例を交えて話せるかを見てください。「学校の始業時間と下校時間で人の流れがどう変化するか」など、生活に密着した質問もできると、さらにグッドです。
また、物件探しだけでなく、事業計画や資金計画の相談に乗れるかも重要です。そこで、出店側が計画している業態と似たような実績があるのか、尋ねてみるのがオススメ。専門性が高い会社なら、希望条件を明確に伝えることで、より条件の良い非公開物件の情報を提供してもらえる可能性が高まります。
良い担当者との出会いが、あなたの事業をより快適にしてくれるはずです。
TEMPOLYでは、あらゆる条件にあわせニーズに適した物件をご紹介することを大切にしています。
どうやって不動産会社を探すのか
自分の理想の物件は、自分から動かないと見つかりません。情報収集の幅を広げ、質の高い情報を掴むために、相談すべき不動産会社の探し方と、その会社へのアプローチを知りましょう。
相談すべき不動産会社の探し方
①店舗・テナント物件に強い会社に声をかける
店舗物件を探すのであれば、まずは店舗物件に強い会社に声をかけるのが鉄則です。よって、まずは店舗物件に特化したマッチングサービスやポータルサイトを使うことになります。TEMPOLYは、商業用不動産物件に特化したポータルサイトとして、常時2000件以上の物件情報を公開しています。
②地元の小さな不動産会社をチェックする
大手企業や専門サイトには載らない情報を見つけるために、出店するエリアの近辺にある小さな不動産会社も必ずチェックしてください。地域の大家さんとの個人的な信頼関係に基づく、掘り出し物の物件情報を握っていることがありますよ。地元特有の空きテナント情報や法規制をいち早く把握できるメリットは大きいです。
③マッチングサービスを使う方法
テナント専門のマッチングサービスは、業種やエリア、家賃など細かい条件で検索できる便利なサービスです。「TENALEAD(テナリード)」「テナントガイド」などに代表されるこれらのサービスを活用することで、情報収集の効率は非常に高まります。ただし、最終的な契約交渉や複雑なリスク分析は、リアルの不動産会社のサポートが必要不可欠。情報収集と実際の仲介・交渉は、上手に使い分けましょう。
物件探しを始める前に希望条件をはっきりさせておこう
物件探しを始める前に、どんなお店を出したいか、まずはより細かく考えてみましょう。
店舗のターゲット層や提供するサービスは、現時点で明確になっているでしょうか?これは、立地を決めるうえで最高のヒントになります。特に、見込み客の動線や、通行量の多い産業道路、電車の線路、河川、広大な公園などの分断要素を分析することが大切です。
そのためにも、現地調査は必ず行いましょう。出店を検討している場所が、見込み客が集まる環境なのかが重要です。わかりにくい、入りにくい環境では来る客も来てくれませんからね。
先ほど述べた分断要素にはとくに注意しましょう。というのも、分断されたエリアの先は、一見近い場所であっても集客圏として期待できないことがあるからです。ロードサイド型物件の場合は、初心者ドライバーが来やすい環境かという視点も大切ですよ。
また、店舗物件の初期費用は非常に高額になりがちです。事業の運転資金を圧迫しないためにも、より正確な予算を出しておくことが重要になります。家賃だけでなく、保証金や礼金、手数料、保証会社委託料など、かかる費用を正確にシミュレーションしてください。保証金の総額が家賃の数ヶ月分にもなることを知っておきましょう。特に、退去時に戻ってこない「償却」の部分がないかを細かく確認する必要がありますね。
店舗物件の初期費用シミュレーション(賃料20万円、保証金10ヶ月の場合の目安)
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費用項目 |
計算目安 (例) |
概算金額 |
解説・注意点 |
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保証金(敷金) |
賃料の6〜12ヶ月分 |
200万円 |
退去時の償却率を要確認。高額なため、運転資金に与える影響大。 |
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礼金 |
賃料の1〜2ヶ月分 |
20万円 |
返還されない初期費用。 |
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前家賃/共益費 |
最大2ヶ月分 |
40万円 |
入居月の日割り+翌月分。 |
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仲介手数料 |
賃料の1ヶ月分+消費税 |
22万円 |
不動産会社へ支払う成功報酬。 |
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保証会社委託料 |
賃料の50〜100% |
20万円 |
オーナー都合で必須となる場合が多い。 |
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各種保険料 |
年額 |
年額5,000円〜30,000円程度(業態や面積により変動) |
火災保険や賠償責任保険など。 |
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合計概算初期費用 |
– |
302万円 |
※別途、内装・設備費、公租公課、諸経費がかかる。 |
必要な条件と妥協できる条件は分けて考える
不動産会社との交渉に入る前に、物件選びの条件を、事業の継続に必須な条件と、譲歩できる条件を明確に分けておきましょう。
例えば、特定の給排水容量や排気設備は必須条件であることがほとんどです。一方で、内装のデザインや築年数は妥協できる条件かもしれません。この線引きこそが、後の家賃交渉や契約条件交渉を有利に進めるための土台となります。
立地分析の結果、分断要素が多くて収益予測が厳しい場所もあります。その場合は、家賃予算を厳しく設定すべきです。立地と予算は、お互いに影響し合っていることを理解しておきましょう。
不動産会社との面談・物件内見時の注意点
最高の物件選びにおいて、不動産会社との面談と内見が9割といっても過言ではありません。不動産会社への質問を徹底し、よりよいパートナーを見極めましょう。
不動産会社と話すときのチェック項目
非公開物件を持っているかどうか
テナント専門会社や地域密着型の会社は、一般の市場に出ていない優良物件を持っている可能性が高いです。非公開物件の有無は、その会社が地域の大家さんからどれだけ信頼されているかの証明になります。この情報を引き出せるかどうかが、専門的な情報網を持つパートナーかを見極める基準になりますよ。
事業計画や資金の相談にも乗ってくれるか
信頼できる不動産会社の仕事は、単なる物件紹介だけでは終わりません。事業計画の実現可能性や、初期費用のシミュレーションまで考慮した具体的なアドバイスを提供できます。創業間もない企業を選んだ結果、家賃交渉が難航したというケースも見かけます。こちらの出店計画に対し、根拠を持ってサポートしてくれる会社を選ぶべきでしょう。
将来も付き合える信頼性のある会社か
担当者の対応スピードや、質問への回答の正確さは重要です。しかし、最も大切なのは、その会社が過去に同業他社の紹介実績をどれだけ持っているかです。実績が多いことは、担当者が大家さんとの信頼関係を築くことに長けている証明になりますね。
内見時のチェック項目
複数の物件を比較する
複数の物件を比較することは非常に大切です。エリアの相場感や、物件ごとのメリット・デメリットを客観的に把握できます。この比較結果は、後に特定の物件について家賃交渉を行う際の、客観的な根拠情報として活用できるのです。比較検討は必ず行うべきでしょう。
居抜きとスケルトン、それぞれのメリット・デメリットを把握しておく
物件の内装状態は、大きく分けて居抜きとスケルトンの2種類があります。
スケルトン物件とは、内装や設備がすべて撤去された物件を指します。メリットは、内装を完全に自由にデザインできることです。最新の設備を導入できるため、オリジナリティを追求したい事業主にオススメです。しかし、内装工事の費用が極めて高額になるうえ、退去時にもスケルトン戻しをするための高額な費用がかかるリスクがある点は要注意です。
居抜き物件とは、前の借主の設備が残されたまま引き渡される物件です。最大のメリットは、高額な内装解体費用を削減できることです。初期費用を抑え、短い期間で開業準備を進められるでしょう。しかし、既存の設備が老朽化しているリスクがあります。デザインの自由度が制約されるデメリットもありますね。
居抜き物件を選ぶ際は、契約内容に細心の注意を払ってください。前の借主が設置した設備の修繕義務や、老朽化設備の交換費用を負う可能性があります。さらに、入居時は居抜きでも、退去時に高額なスケルトン戻しを要求される契約になっていないか、契約書を厳しくチェックする必要があります。
定期借家契約と原状回復とは
契約書には、せっかくの店舗を潰しかねない重大なリスクが隠れています。特に、一般的な住宅とは異なる「定期借家契約」と「原状回復義務」については深い理解が必要です。契約の形と退去条件には、必ず目を通しておきましょう。
定期借家契約と原状回復については、それぞれ以下の記事で詳しく解説しています。
オーナーと長期的な信頼関係を築くには
店舗契約交渉は、事業を長期的に安定させるための重要な投資です。交渉成功には、ただ「下げてほしい」と頼むのではなく、経営の安定性や長期契約の意向など、オーナーのメリットとなる具体的な根拠を提示することが鍵となります。
オーナーとの長期的な信頼関係は資産であり、定期的な状況報告で安心感を与えることが、将来の交渉やトラブル対応を円滑にします。交渉が一度うまくいかなくても、良い関係を続けることが次の機会に繋がります。
まとめ
失敗しない店舗物件選びには、最高のパートナーを見つけることが、何より重要です。地元の情報に強い会社、専門業者を探して、競争相手が知らない理想の物件を見つけ出しましょう。
また、最大で家賃の10ヶ月分にもなる保証金の償却については、必ず確認してください。高額になった初期費用のせいで資金がショートしないよう、細心の注意を払いましょう。
一番の落とし穴は、退去時に関する契約内容。「スケルトン戻し」の特約がないか、契約書を徹底的に見直しましょう 。確認しておかないと、のちにお店にとって大きな負担になってしまいます。
この記事を最後まで読んだあなたなら、不動産会社の選び方や交渉のポイントがきっと理解できたはず。自信を持って、理想の店舗運営に向けて、歩みを進めてくださいね。

