みなさん、こんにちは!
テナント仲介サービスTEMPOLYの井関です。TEMPOLYでは普段、都内を中心に、 毎月400~500件の物件情報データ更新を行い、常時掲載している2000件以上の物件情報 の中から様々なオーナーさんの条件に合う物件探しを支援しております。独自の人流データや商圏分析データに強みのあるTEMPOLYでは、家賃や坪数だけで判断せず、適正家賃か、エリアの人流はどうか、など商圏の動きもセットで見て、勝ち筋があるかを一緒に検討しています。
「物件の契約書に書いてある『償却』や『敷引き』って、何?」
「保証金100万円って書いてあるけど、退去の時に1円も戻ってこないなんてことあるの?」
初めて店舗を借りようと契約書を読んでいる時、こうした不安を感じる方は少なくありません
日本の不動産契約特有の慣習「償却(敷引き)」は、ルールを知らないままサインしてしまうと、退去時に数百万円のコスト増になる、わかりにくい落とし穴です。
そこでこの記事では、この複雑な仕組みを、次の3つの視点から徹底的に分かりやすく解説します。
- 敷金・保証金との違い、
- 民法改正や判例を元に、退去時のトラブルを避ける方法
- 税務(インボイス、消費税)や会計処理の具体的な仕訳
この記事を最後まで読めば、あなたは高額な償却条件に怯えることなく、貸主と対等に交渉し、資金計画をコントロールできるようになります。
日本独自の商慣習「償却(敷引き)」とは?
日本の店舗やオフィスの契約で出てくる「償却」や「敷引き」は、敷金や保証金の一部が戻らない仕組みです。内容を知らないまま契約すると、退去時に思ったより負担が大きくなることがあります。店舗を運営するなら、要点を押さえておきましょう。
償却と敷引きというしくみが生まれたワケ
償却や敷引きは、退去の時にあらかじめ決めた額を差し引く取り決めです。たとえば保証金20万円で償却が5万円なら、その5万円は返ってきません。契約書にあらためて目を通し、不明な点は担当者にしっかり確認しておきましょう。
この仕組みは、日本ならではの事情から生まれたものです。
駅前の小さな店舗やビルでは、テナントの入れ替わりが短い周期で起こることがあります。オーナーとしては、そのたびに修繕や清掃の費用が重なりやすく、資金を前もって確保しておきたい事情がありました。
そのため、保証金の一部を償却として受け取る形が長く続いてきたのです。ですがその複雑なルールは多くの店舗経営者を悩ませており、貸主との間の金銭トラブルの原因になることも少なくありません。
そこで、償却と敷引きの実態をわかりやすく整理しました。用語の意味から地域や業種ごとの相場、法的な判例の変化、さらに会計や税務処理のポイントまで、幅広くカバーしています。
実務でどう対処すればよいかという具体的な方法も紹介しています。この記事を最後まで読んで、契約前後のリスクやコストを適切にコントロールしましょう。
敷金・保証金・償却・敷引きの違いを押さえよう
不動産契約には、敷金や保証金、償却、敷引きといったお金に関する言葉が登場します。普段のやり取りでは混同しやすいですが、契約や法律の場面では区別が必要です。ここでは、それぞれの意味としくみ、違いをわかりやすく整理していきます。
そもそも、敷金の定義ってナニ?
敷金とは、借主が貸主に預けるお金のことで、主な目的は契約の担保です。賃料の未払い、借主の過失による建物の損傷、契約違反による費用などをカバーします。
そのため、契約終了時に未払いがなければ、原則として全額返還されます。
2020年の民法改正で、敷金の定義が明確になりました。
契約書に「保証金」や「建設協力金」と書かれていても、実態が借主の債務の担保であれば、法律上は敷金として扱われます。
税務の観点でいうと、敷金はそもそもが「返ってくるお金」なので、消費税はかかりません。これは償却や礼金とは大きく違う点です。キャッシュフローを考えるときにも重要で、経理上は「費用」ではなく「預り金」として扱います。
地域や契約によって意味が変わる!?
不動産契約で出てくる「保証金」という言葉は、実は使い方がとても多様です。契約の種類や地域によって意味が変わるので、ひとくくりに考えるとトラブルのもとになります。
大きく分けると、次の3パターンがあります。
1. 敷金とほぼ同じことを指している
東京都内のオフィスや店舗契約では、「保証金」と書かれていても、実質は敷金と同じ場合が多いです。借主の債務を担保するお金で、契約終了時に問題がなければ全額返ってきます。ただし、敷金より金額が大きめ(賃料の6〜12か月分など)の場合に、慣習として「保証金」と呼ばれることが多いです。
2. 建設協力金のことを指している
ロードサイドの店舗や大型商業施設では、テナントが建物の建設費の一部を無利息や低利で貸主に差し入れることがあります。この場合、「建設協力金」や「保証金」と呼ばれ、契約期間中に均等返済されたり、賃料と相殺されたりする仕組みが多いです。
3. 償却・敷引きを前提としている
関西圏や一部の商業物件では、保証金に「解約時に○%償却」「敷引きとして○円控除」といった特約がついていることがあります。この場合、保証金は担保としての役割だけでなく、礼金や修繕費の前払いとしての機能も持つ、複合的な性質のお金になります。
償却と敷引きの仕組みを押さえよう
ここで新たに出てきた「償却」と「敷引き」という言葉について解説します。これらは、簡単に言うと預けたお金の一部または全部が返ってこないという合意のことです。退去時や契約時に、貸主の取り分になるもので、どちらも経済的には似た効果がありますが、由来や運用方法に微妙な違いがあります。
償却:退去時に差し引く
関東圏や全国展開の商業ビル・ショッピングセンターで多く使われるのが「償却」です。契約書に書かれた保証金(敷金)から、退去時に一定額や割合を無条件で差し引く特約です。使い道としては、原状回復費用に充てる場合もあれば、更新料や礼金のような扱いになる場合もあります。たとえば「保証金の20%」や「賃料2か月分」といった形で設定されることが多いです。契約書に「償却費を原状回復費用に充てる」と明記されているかどうかが、退去時のトラブルを避けるポイントになります。
敷引き:契約時に決まる
関西圏(大阪・兵庫・京都)や九州の一部で見られるのが「敷引き」です。契約時に高額な保証金を預けますが、そのうちの一定額はあらかじめ返さないと決めておく方式です。歴史的には、自然損耗に備えた修繕費の前払いと、貸主への謝礼(礼金)が合体したものとして使われてきました。
関西では礼金を別に設定することが少なく、この敷引きが礼金の役割も兼ねることが多いです。残りの金額は返還対象になりますが、借主の過失による修繕費がさらに引かれるかどうかは争点になりやすいです。
礼金との違い
礼金は契約成立の謝礼として貸主に支払うもので、退去時に返ってこないのが前提のお金です。経済的には償却・敷引きと同じ効果がありますが、取り扱いには以下のような違いがあります。
- 支払いタイミング:礼金は契約時に支払って終わりですが、償却・敷引きは預け金の形なので、退去時まで資産として帳簿に残り、退去時に費用化されることがあります。
- 課税か非課税か:事業用不動産では礼金も償却金も消費税の対象ですが、居住用では礼金が非課税となる場合があります。償却金は原状回復費用の前払いと見なされる場合があり、扱いがやや複雑です。
償却の相場は業種・地域・物件で変わる
償却や敷引きの金額は固定ではなく、業種や地域、物件の特性で大きく変わります。市場の需給やテナントのリスク、地域の商習慣が影響するためです。ここでは、2025年時点の市場動向をもとに、業種別・地域別の目安を見ていきます。
重飲食店(リスク:高)
焼肉店、中華料理店、ラーメン店などは、油や煙でダクトや床が汚れ、排水管も詰まりやすいです。開業から1年以内に撤退するケースも多いため、オーナーはリスクを大きく見積もります。
- 保証金相場:賃料の10~15か月分
- 償却相場:保証金の20~50%、または賃料3~6か月分
- ポイント:スケルトン渡し・スケルトン返しが基本。共用部の排気設備や害虫駆除、近隣対策費用を前払いする意味合いもあります。都心一等地では償却が「礼金」の役割を兼ねる場合もあります。
軽飲食・カフェ(リスク:中)
カフェやバーなどの軽飲食は、重飲食ほど建物に負荷はかかりませんが、水回りを使用するため償却はやや高めです。
- 保証金相場:賃料の8~10か月分
- 償却相場:保証金の20%前後、または賃料2~3か月分
- ポイント:居抜き物件の利用も多く、前テナントの造作を引き継ぐ場合は償却が下がるなど、契約交渉で柔軟性があります。
物販・サービス店舗
アパレル、雑貨、美容室、クリニックなどは、建物へのダメージが比較的軽いため、中間的な条件になります。
- 保証金相場:賃料6~10か月分
- 償却相場:保証金10~20%、または賃料1~2か月分
- ポイント:美容室は水回り工事のためやや高め、クリニックは長期入居が期待できるので償却率を低めに交渉しやすいです。
オフィスは償却なしがトレンド
通常のオフィス利用では、損耗がほとんどないと考えられるため、償却が設定されないケースが増えています。
- 保証金相場:賃料3~12か月分(物件規模による)
- 償却相場:なし(全額返還)~賃料1か月分
- ポイント:東京都心の大型オフィスでは、外資系企業の誘致などもあり、償却の慣習はほぼ消滅しています。ただし、中小規模や個人オーナーの物件では「退去時償却1か月」の条件が残る場合もあります。
地域で全く違う!償却・敷引きの慣習
償却や敷引きの設定は、地域によって大きく違います。東西の文化の違いを理解せずに出店すると、資金計画が大きく狂うこともあります。ここでは代表として関東・関西の傾向をまとめました。
関東(東京):礼金文化+償却
関東では、事業用物件でも「礼金」を支払うのが一般的です。多くの場合、契約時に礼金1~2か月分を支払い、さらに退去時に保証金から1~2か月分を償却する、いわば「二重取り」の構造が見られます。最近は礼金を廃止して、償却だけにするケースも増えています。ですが、貸主有利の市場では両方が設定されることがまだ多いです。
関西(大阪):敷引き文化
関西では、礼金という名目はあまり使われません。代わりに保証金として非常に高額(かつては賃料の20~30か月分、現在は10~15か月分)を預け、その中から解約時に高率(50%以上など)を「敷引き」として控除します。この仕組みにより、保証金の中に実質的な礼金と原状回復費が含まれる形になっています。また、敷金返還請求権そのものを制限する特約としても機能してきました。
償却はいつ引かれるの?タイミング別の違い
償却が「いつ」確定し、「いつ」実行されるかは、テナントのキャッシュフローや会計処理に大きく影響します。契約前にしっかり把握しておきましょう。
退去時一括償却
最も一般的なパターンです。テナントが退去するタイミングで、預けた保証金から決められた金額を差し引き、残額が返ってきます。テナントにとっては最後の手切れ金のような感覚です。
入居時償却
契約の初めに、「保証金のうち○%は返さない」と確定させる方式です。実質的には礼金と同じですが、名目を保証金の一部にすることで、契約書上の見栄えや調整に使われることがあります。
スライド式償却
入居期間に応じて償却率が変わる契約です。たとえば、「1年未満で解約なら50%償却、3年未満は30%、5年以上なら10%またはゼロ」といった形です。
この方式は、短期解約の違約金としての役割が強く、オーナー側は仲介手数料や広告費の回収リスクを減らせます。テナント側は、長く入居すれば退去時の負担が減るため、自然と長期入居を促す仕組みになっています。
「この償却率は妥当?」と少しでも迷ったら
今回紹介した償却の相場はあくまで目安です。商業用不動産に特化したポータルサイトTEMPOLYでは、プロの目線で契約書をチェックしています。
償却・敷引きで法的に押さえておきたいポイント
償却や敷引きで最も気をつけたいポイントは2つ。法的に有効なのかと、原状回復費用と重複して二重負担になっていないか、です。
2020年の民法改正で原状回復のルールが明文化されたこともあり、契約時にこれを整理しておかないと、退去時にトラブルになる可能性があります。
償却特約は本当に有効?司法判断の整理
最高裁判所(平成23年3月24日判決)でも、償却特約は「近隣相場と比べて暴利でない限り有効」という判断が示されています。理由は主に以下の3つです。
- 賃料補完的な性質
敷引き金は、賃料の前払い的な性格や修繕費用の概算払いとしての意味があると認められています。 - 紛争防止の合理性
金額を契約時に明示しておくことで、退去時に修繕費をめぐる個別の交渉やトラブルを減らせます。 - 契約自由の原則
借主が同意している以上、原則として拘束力が認められます。
だからといって、償却は無制限に有効というわけではありません。判例では、償却・敷引きの額が「近隣相場に照らして暴利的」である場合、無効とされる可能性があります。賃料の3倍~3.5倍程度までなら問題ないとされる一方、それ以上の高額設定は注意が必要です。
事業用契約では消費者契約法は直接適用されませんが、情報格差が大きいケースでは、裁判所が類推適用し「不当な償却特約」を無効とすることもあります。
つまり、事業用だからといっていくらでも償却できるわけではないのです。
民法改正(2020年)と原状回復のルール
改正民法では、借主は通常使用による損耗や経年劣化の修繕費を負担しなくてよいことが明文化されました。
契約書で特別に「通常損耗も借主負担」と明記すれば例外ですが、曖昧な表現はトラブルの元です。例えば契約書に「原状回復は民法の原則に従う」「償却費を徴収する」と両方書かれている場合、償却費が何に対する対価なのかが曖昧になりやすいです。
判例に沿えば、通常損耗分まで二重で償却費を請求することは原則できません。
店舗契約で多発する「スケルトン戻し」と償却の矛盾
飲食店などの店舗では、内装・設備を撤去してスケルトン状態に戻すスケルトン返還義務が設定されることがあります。
スケルトン戻しのための解体工事費は数百万円~千万円単位。借主が「スケルトン返還で十分に費用を負担した」と主張しても、オーナーが「償却は共用部や権利金的性格の費用」と反論するケースもあります。
東京都内では「償却費は原状回復費用には充当されず、全額借主負担」と明記されることもあり、借主にとっては重い負担になります。
このため、契約前に条項を確認し、必要に応じて交渉することが極めて重要です。
もう経理で迷わない!会計処理と税務の基本
償却(敷引き)や礼金は、表面的には「保証金の一部」や「契約時の一時金」として扱われますが、会計や税務の世界では明確なルールがあります。これを理解していないと、決算での認識漏れや税務調査での指摘につながるだけでなく、キャッシュフローの見通しを誤る原因にもなります。
ここでは、経理担当者やCFOが押さえておくべき実務ポイントを整理します。
勘定科目と資産計上の判断
経理をしていてよく迷うのが勘定科目です。支払った礼金や償却保証金の「返ってこない部分」は、費用なのか、資産なのか。その判断基準は金額で大きく分かれます。
① 少額(20万円未満)の場合
20万円に満たない範囲で支払った礼金や償却保証金は、重要性が低いと判断され、支払時に全額を費用処理して問題ありません。
- 科目例:地代家賃、支払手数料
- 典型例:小規模オフィスやトランクルームでの礼金数万円など
② 20万円以上の場合
20万円を超える金額は、原則として繰延資産(長期前払費用)として計上し、期間に応じて費用化します。
- 科目例:長期前払費用、権利金、繰延資産
- 補足:会計基準と税法の概念は異なりますが、実務では税法に合わせて処理するケースが一般的です。
償却期間の決まり方
「何年かけて費用化するか」は法人税法で明確に定められており、ここを誤ると税務リスクが生じます。たとえば、契約期間が5年に満たない場合は、その契約期間全体で均等に償却するのが原則です。これが2年契約であれば、24ヶ月間にわたって費用化していくことになります。一方で、契約期間が5年以上に及ぶ場合は、実際の契約年数に関係なく、5年間(60ヶ月)で償却する扱いとなります。たとえ10年契約であっても、費用化は5年間で完了させてよく、企業としては費用化が前倒しになる分、損金算入のペースが早まるメリットがあります。
消費税とインボイスの実務
ここは実務で最も混乱の多い部分です。
ポイントは 「返ってくるお金」と「返ってこないお金」 を分けて考えること。そして用途(住宅用か事業用か)で課税区分が変わります。
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項目 |
住宅用 |
事業用(店舗・オフィス) |
実務での注意点 |
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敷金・保証金(返還予定分) |
非課税 |
非課税 |
預り金扱いで消費税は発生しない |
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礼金・権利金 |
非課税 |
課税(10%) |
権利設定の対価として扱われる |
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償却・敷引き(返還されない部分) |
非課税 |
課税(10%) |
最重要ポイント。契約時点で「返ってこない」と決まっている場合は課税対象 |
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仲介手数料 |
課税 |
課税 |
通常の役務提供 |
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更新料 |
非課税 |
課税 |
事業用は課税扱い |
インボイス対応の落とし穴
償却金や礼金は課税取引なので、適格請求書(インボイス)の交付が必須です。
もし貸主が免税事業者でインボイスを発行できない場合、消費税分を控除できず、結果的にコストアップになります。
特に敷引きは、契約書だけでインボイス要件を満たすのか、それとも別途領収書が必要なのか、実務判断が分かれる部分です。契約締結時に確認しておきたいポイントです。
仕訳の実例をチェック
以下に、実際の契約条件を基にした例をまとめます。
<前提条件>
-
保証金:1,000,000円
-
償却:20%(200,000円)+消費税20,000円
-
契約期間:3年
-
課税事業者
① 契約時の仕訳
返還されない部分(償却)は契約時点で確定しているため、保証金と分けて処理します。
借方
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長期前払費用(償却分) 200,000
-
仮払消費税 20,000
-
差入保証金(返還予定) 780,000
貸方
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現預金 1,000,000
※ 償却部分が税込か税別かは契約書で判断します。
② 決算(1年経過)
長期前払費用200,000円を36ヶ月で割り、1年分を費用化します。
(月額 200,000 ÷ 36 = 5,555円、年間 66,666円)
借方
-
長期前払費用償却 66,666
貸方
-
長期前払費用 66,666
③ 解約時
残りの保証金を受け取ります。
借方
-
現預金 780,000
貸方
-
差入保証金 780,000
※ すべてを「差入保証金」で処理して退去時に償却分をまとめて費用化する方法もありますが、税務上は期間対応が求められるため、契約時の分離計上が望ましい処理です。
交渉と退去戦略の最適化
償却条件は固定ではなく、交渉可能な要素です。償却条件は固定ではなく、交渉可能な要素です。貸主にとって賃料より影響が軽いため、交渉の余地があります。たとえば、以下の例文で交渉を切り出すことができます。
(例文1: 償却率の削減交渉)
「長期での利用を前提としていますが、貴社規定の償却〇%を△%に減額いただくことは可能でしょうか。」
(例文2: スケルトン返しの代償交渉)
「原状回復費用を借主側で完全にスケルトン返しすることをお約束する代わりに、退去時の償却を免除(または減額)していただくことは可能でしょうか。」
契約書では、償却の定義、税別・税込の扱い、計算基準となる賃料、原状回復区分(A・B・C工事)などを必ず確認することが重要です。こうした事前の調整が、最終的なコスト負担を大きく左右します。
商業用不動産に特化したポータルサイトTEMPOLYでは、契約書の作成サポートを行っています。
まとめ
償却(敷引き)は、店舗物件を借りるうえで避けて通れないテーマですが、その仕組みを正しく理解しておけば、契約交渉から退去までの判断が格段にしやすくなります。特に、返還されないお金の意味を整理し、原状回復費やスケルトン工事と合わせて総コストで捉えることが、計画の精度を大きく高めてくれます。
また、償却の扱いは税務・会計ともに明確なルールがあり、消費税の取扱いや資産計上の要否は、契約時点で判断できる項目です。後から修正が必要になると負担が大きいため、早い段階で確認し、書面にも残しておくことが重要です。
そして、償却条件は「相場だから」で受け入れる必要はありません。原状回復の範囲や、スライド償却の基準など、交渉で整えられるポイントは多くあります。物件の条件や自社の運営計画に合わせて、適正なラインを見極めていくことが、結果的に長期的な安定につながります。
ここまで読み進めたあなたなら、償却の基本構造から実務的な判断軸まで、十分に理解できているはず。あなたの店舗運営が、無用なトラブルのない健全なスタートを切れることを願っています。
TEMPOLYでは、店舗物件専門の不動産業者として、契約書に潜む不要なコスト(償却費)を削減するためのサポートを行っています。何もわからないままサインして数百万円の損をしてしまう前に、償却や敷引きについてお困りのことがあれば、ぜひ契約書チェックをご依頼ください。
