食事自身が移動をする飲食業態!回転寿司から考えてみよう
こんにちは!
皆さんは、回転寿司に行ったことがありますか?
回転式のベルトコンベアの上にお皿が並べられ、好きなお寿司を選べるセルフサービスシステムとして知られています。
しかし、店内において自分自身やお店のスタッフが全く動くことなしに、食事自身が移動するシステムは、
飲食店舗の中でも唯一といってもいいほど、珍しいのではないのでしょうか?
今回は、食事自身が移動をするという飲食業態について、筆者の調べたことや考えを書き連ねてみました!
ベルトコンベアと食事の歴史
回転寿司を回転たらしめている動力について考えるとき、なんといってもベルトコンベアは欠かせませんよね。
実は、ベルトコンベアに食事を乗せるという行為は、日本で回転寿司が発明される前、19世紀の産業革命の頃に世界で行われていたんです!
その当時、都市の工場労働者にとって、昼食の時間とは、仕事の合間を縫って行われるものという認識がありました。そのため、限られた時間の中でいかに効率よく食事を済ませられるか、というところに企業は注力している時期でもありました。
この写真は、ニューヨークにおける社員食堂の様子です。
ベルトコンベア上に自分のお皿を置き、コンベアの速度に合わせて自分自身が移動することで、食べたいものを選んでいくというシステムになっていたそうです。つまり、ベルトコンベアの速度をコントロールすることで、食べ物を選択する際の「迷う」という行為を制限するために用いられていたのです。
今でこそ回転寿司は、人が動く必要のないという便利なシステムとして知られていますが、ベルトコンベアは、人間の身体の動きを拘束するものとしての機能をもっていたことが分かりますね!
参考文献:原克「暮らしのテクノロジー 20世紀ポピュラーサイエンスの歴史」
日本における回転寿司の歴史
日本では、1958年に白石義明さんがビール工場の製造に使われているベルトコンベアにヒントを得て開発した「旋回式食事台」が、高級の代名詞であった「寿司」を 手軽な大衆食にし、今日の回転寿司の基礎を築きあげてきたと言われています。
この革命は今日の飲食店舗のあり方についても、一石を投じる発想だと考えます!
http://www.mawaru-genrokuzusi.co.jp/history/ より引用
現在の回転寿司の様子!
現在、回転寿司はどのように利用されているのか、渋谷のとある回転寿司のお店に、店内の観察に行ってきました!
向かいに座るお客さんを観察していると、つくりたての新鮮なものが食べたかったのか、来店と同時に、店内に張られているメニューに目をやり、直接板前さんに注文していました。
現在では、直接注文するという選択肢ができてしまったため、目の前で繰り広げられる回転は形式的・意匠的な意味だけが残されてしまっている感じがしました。
余談ですが。。。ベルトコンベアの「運搬」の意味を記号化した飲食店
カレーステーション ナイアガラ(祐天寺)
鉄道が好きなオーナーのこだわりが詰まったカレー屋さんです。
店内に電車のレールが引かれ、電車が席までカレーを運んでくれるというシステムになっています。
回転寿司と大きく違うところは、ものを流す基盤がレールかベルトコンベアであるか、ということです。始点と終点があるレールは、食事を特定の目的地まで届ける「運搬」の役割が強いのに対し、後者は循環システムが働いており、常に食事だけが移動し続けているという様子を作り出しています。
昔使われていた駅の看板や標識もあるので、私がいたときも多くの鉄道ファンの方が訪れていました。
【基本情報】
「カレーステーション ナイアガラ」
住所:〒153-0052 東京都目黒区 祐天寺1-21-2
アクセス:東急東横線祐天寺駅より徒歩5分ほど
http://www.niagara-curry.com/
いかがでしたか?
今回は視点を少し変えて、移動という観点で、食事自身を移動させるシステムについて考えてみました。
マーケティング戦略とあわせて、これからの飲食業態について考えてみるのはいかがでしょうか?
飲食店舗物件お探しの際にも是非取り入れてみてください!
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