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これから飲食店の新規開業を考えている方は、まずはどのような項目で費用がかかり、また合計でどのくらい必要になるのかを知っておく必要があります。
今回の記事では、飲食店の開業にかかる費用のそれぞれの項目と、どのくらいの資金が必要になるかの目安、また自己資金以外を資金調達する方法について紹介していきます。
飲食店の開業について必要な手続き等はこちらの記事で説明していますので、合わせてご覧ください。

■物件契約時の費用
飲食店を開くには、まず店舗となる物件を契約する必要があります。一般的な物件契約時にかかる費用とその目安について説明します。
①保証金・敷金
テナントのオーナーへ支払う費用です。保証金は家賃の10ヶ月分ほどかかり、敷金は1~2ヶ月分などが相場です。退去時の修繕費用などに利用され、残りは返還されます。家賃が30万だとすると、300万〜340万ほどかかる計算になります。
②礼金
テナントのオーナーへ支払う費用です。家賃の1~2ヶ月分が相場で、返還はされません。家賃30万だとすると、30万〜60万ほどかかる計算になります。
③仲介手数料
物件の紹介・仲介をした不動産に支払う手数料です。家賃の1ヶ月分が相場です。
④前家賃
テナントのオーナーへ支払う最初の家賃です。物件契約時に同時に支払います。1ヶ月分の家賃を契約開始した月の残りの日数で日割りした金額と、その次の月の1ヶ月分を同時に支払います。
⑤造作譲渡料
居抜きでテナントを借りたときに発生する費用です。居抜き物件の内装は、その前のオーナーに所有権があるため、貸主とは別に前のオーナーとこの契約を結ぶケースがあります。費用は物件により違いがあります。
以上のように、家賃30万円のテナントを借りる場合、物件契約にかかる費用は、概算で以下となります。
保証金:300万円(家賃10ヶ月分)
敷金:60万円(家賃2ヶ月分)
仲介手数料:30万円(家賃1ヶ月分)
前家賃:45万円(家賃1.5ヶ月分)
合計:435万円
※あくまで一例となります。特にどのくらいの家賃の物件を選ぶかによって大きく変わるため、合計で1年分以上の家賃が必要になる点が知っておくべきポイントです。

■店舗設備投資等の費用
物件契約以外でかかる、店舗の設備等にかかる費用とその目安について説明します。
①内装・外装費用
内装・外装工事にかかる費用です。壁や床、照明から、水道・ガス・電気など設備・インフラ関係や、看板の設置なども含みます。工事費用は業者にもよりますが、坪単価で30万~50万円ほどが相場です。
②厨房費用
厨房にまつわる費用です。ガス台、調理台やシンクなどから、ガスコンロ・冷蔵庫・オーブントースター・コーヒーメーカー・ビールサーバーなどの業務用の家電まで、厨房で理利する設備についての費用です。お店で提供する料理の種類にもよりますが、100万円ほどかかります。
③家具・食器・備品費用
フライパンや鍋などの調理器具から、皿やコップなどのグラス、椅子・テーブルなどの家具の費用です。規模によりますが、30〜60万円ほどが目安です。
④レジ費
店に設置するPOSレジなどの費用です。最近ではタブレットでの決済システムなどもあり、ある程度値段を抑えることが可能です。10万円前後が目安です。
⑤販促費
お店のオープン前後での宣伝や、Webサイト作成・ポータルサイトへの掲載などの費用です。売上の5%~10%ほどが平均とされていますが、良い立地で直接お店を見て選ぶ人が多く期待できる場合や、SNSでの情報発信がうまくいく場合はより少ない場合もあります。
⑥募集費
アルバイトなどの従業員を募集するための費用です。アルバイト情報誌や、アルバイト募集のポータルサイトへの掲載が主になります。募集人数にもよりますが、オープン前の段階では、5~20万円ほどが目安です。
⑦通信費用
店舗内での無線LAN環境や電話などの通信機器などの費用です。電話回線はもちろん、最近はネット決済やモバイルオーダーなどを導入する店舗も増えています。こちらは数万円程度が目安です。
最近はテレワークの普及の影響で、カフェなどで仕事をする人も増えています。店舗内で顧客が利用できるWi-Fi環境を整備することで集客やリピート促進にもつながります。
■その他の費用
初期費用として必ずかかる費用ではありませんが、一般的に開業時に確保しておく必要のある費用について説明します。
①初期の運転資金
店の経営が軌道に乗るまでは売上よりも費用のほうが多くなるため、赤字期間を耐えるために開業後の運転資金を確保する必要があります。店舗の家賃の支払い、日々の光熱費、材料の仕入れ費、人件費などです。どのくらいの期間の分を用意するかはお店によりますが、最低でも半年分ほど確保しておくのが好ましいです。
②生活費
経営が軌道に乗り収益が出るまでは、飲食店を開業した本人の収入もあまり期待できません。自身の家族の生活費なども確保しておきましょう。




