神泉に割烹スタイルのイタリアン『COCCHI』がオープン！敢えて空中階での出店を希望した訳とは

Vol.1　COCCHI

「路面での出店は嫌だった」
――こう語るのは、今回『COCCHI』（東京都渋谷区神泉町12-4 3F）を出店された小堀恵子氏。
出店者の多くが1階路面を希望する中、あえて空中階を希望した真意を伺いました。

物件希望条件について

――なぜ神泉にて出店しようと思ったのでしょうか

もともと現在の住まいから自転車でアクセス出来る場所で物件を探していました。
今回の物件で決めた理由は様々ありますが、神泉は自宅から徒歩数分で通える距離だったということも決め手の1つでした。
また神泉というエリアは、ランチを求めて店を決めずに散策している人が散見されますが、ディナータイムは目的の店をめがけて歩いている方ばかりです。
そして地域の繋がりも強く、口コミで店の評判が広がることも多々あります。
COCCHIのターゲット層は、インターネットやSNSでお店を調べてくる方というよりは、調べても出てこず、あそこのお店はどういう店なんだろうと知ろうとして知ってくださった方や口コミを聞いて来てくださる方を想定しています。
そんな意味では神泉はCOCCHIの出店場所としてピッタリだったんです。
また、道玄坂2丁目の再開発も進み更なるインバウンドも期待しています。

――1階路面での出店は全く考えていなかったそうですね。路面店と比べて視認性に劣る空中階を敢えて選ばれた理由は何でしょうか

よくある居酒屋さんの様な同じような業態・価格帯で勝負をするなら、インターネットやSNSでの集客、そして1階路面でないと難しいのかと思いますが、COCCHIは逆に1階が向いていないような業態でもあると思い空中階の物件を探していました。
また先述した通り今はなんでも調べられる世の中ですが、調べようと思ってもなかなか出てこない、そういう店を知りたい層や口コミ層をあえてターゲットにしようと思っていたんです。
隠れてはいないけど、気付かれない。そんなところが理想でした。

物件について

――居抜きの状態と比べるとほとんどの内装が変わっているのでスケルトンの物件でもよかったと思うことはありませんでしたか

実際ほぼスケルトンにして造りこみましたが、厨房や空調があるのとないのとでは数百万変わってきます。またコロナの影響・輸送コストの増加の影響で内装工事費用の市場価格が1割程上がったように感じます。そのため、私は居抜きの物件にして良かったと思っています。

――内装で特にこだわった点について教えてください

最初から全てにお金を掛けることは出来なかったので、お客様が見える・触れる場所についてはこだわりました。
東京は「美味しい」のレベルが高いです。
その中でまた来たいと思っていただけるのは、「美味しい」のはもちろんのこと「すごく自分好みの料理だった」や「居心地の良さ」等が関係していると思います。
内装では「居心地の良さ」をかなりこだわりました。
COCCHIではフルコースを3時間に渡ってご提供させていただきます。
カウンターとはいえ、それぞれのお客様たちが自分たちの空間が保たれるかという点から椅子の座り心地まで追求して造りこみました。
また、カウンターは半円にすることで貸し切りにしていただいた際も、どの席に座っていても全員と顔を合わせて会話をして、食事をすることが出来るような造りとなっています。

工事前
　　　　

工事後
　　　
【内装業者】株式会社ジョイホーム（URL：https://www.chiba-takken.or.jp/shop/1-16136-012016136000）
【デザイナー】brown-ink（HP:http://www.brown-ink.jp/）

融資について

――今回融資を受けられていますが、今後融資を受けられる方へのアドバイスがあればお願いします

融資を受ける上で事業計画はとても重要になってきます。中でも数字に関してはかなり入念な準備が必要です。
私は税理士と一緒に考えながら記入したので数字についての理解も深まり、融資の面談の際に深くつっこまれても問題なくやり過ごすことができました。
ただ自分1人で事業計画書を作っていたらと思うと不安だったと思うので、数字に強い人と一緒に作れればその方が良いと思います。
そして融資面談の際に「融資額を減額したらどうしますか？」という質問が必ず出ます。
私も周りから聞いてはいたのですが、面談の際に本当に聞かれました。
事業計画をきちんと考え、理解していたので強気と捉えられるかもしれませんが「何がダメで減額されるのですか？」と聞きました。
担当者の方は恐らく、最悪の場合でも準備が出来ているか・そこまでの覚悟があるかを知りたくて質問してこられるんだと思います。
自信を持ってこたえられるように、きちんと計画書を作り上げることをお勧めします。

今後の展望

――今後の展望を教えてください

予約の取れないレストランを目指しています。
私の目や耳に入る評判は、正当な評価であるか判断出来ません。
しかし多くのお客様がCOCCHIに来たいと思ってくださっているのが、予約という形で可視化されると自分が今まで行ってきたことが正しかったんだと認識できると思うんです。

COCCHIでは、食文化の発祥の地フレンツェに本店を置く「エノテーカ・ピンキオーリ」をはじめとする40年の経験が凝縮されたシェフの料理を堪能することが出来ます。
料理や居心地の良さ、そして小堀氏の人柄、シェフのCocchi Vittorio氏の料理が相まって、神泉で密かに、だが確実に知名度を上げていくイタリアンであると私は感じました。

【店舗概要】

『COCCHI』

営業日：ディナー　火曜日～土曜日　18：30から
　　　　ランチ　金曜日～土曜日のみ　12:00から

所在地：東京都渋谷区神泉町12-4 3F

Instagram：https://www.instagram.com/cocchishinsen/

※上記は2023年4月時点の情報となります。
営業時間が変更になる可能性がございますので、詳細は店舗へお問い合わせください。

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