開業・出店

未公開物件の探し方|不動産屋が一番に教えたくなる出店者の特徴

はじめまして。テナント仲介サービスTEMPOLYの井関です。TEMPOLYでは普段、都内を中心に、 毎月400~500件の物件情報データ更新を行い、常時掲載している2000件以上の物件情報の中から様々なオーナーさんの条件に合う物件探しを支援しております。独自の人流データや商圏分析データに強みのあるTEMPOLYでは、家賃や坪数だけで判断せず、適正家賃か、エリアの人流はどうか、など商圏の動きもセットで見て、勝ち筋があるかを一緒に検討しています。

ネットで良い物件を見つけて問い合わせたら、「タッチの差で埋まりました」と言われてしまった、という経験はありませんか?

実は、本当に条件の良い物件の多くは、ネットに出る前に水面下で入居者が決まってしまうことも多いです。つまり、未公開物件を引き寄せるには、不動産担当者に選ばれるための「正しい手順」が必要です。

この記事では、業界の裏側にある情報の流れと、ライバルより先に情報を掴むための具体的なアクションを解説します。この記事を順番に読んでいけば、ライバルより一足先に理想の物件へたどり着けるようになります。

なぜ「未公開物件」を狙うと店舗探しが成功するのか

店舗探しで大切なのは、未公開物件を知ることです。ネットに出ていない物件は意外と多く、商店街の人気区画や閉店前の店舗などもその一例です。

不動産には、誰でも見られる公開情報と、限られた人だけが知る未公開情報があります。公開情報はスーモやホームズに載っていますが、全体のごく一部です。店主がひっそり退去する物件や、オーナーが条件に合う人にだけ知らせたい物件は未公開として扱われます。

未公開物件を知らないまま探すと、良い物件を逃すことがあります。

「未公開」と「非公開」の違い

不動産の世界では、ネットに出ていない「未公開物件」が意外と多くあります。これらは情報が限られているため、知らないまま探すと良い物件を逃すこともあります。初めて店舗を探すなら、未公開物件の仕組みや流通の流れを押さえておくことが大切です。

【表で比較】未公開情報はここが違う

未公開物件と非公開物件は、情報の閉鎖度合いで意味が大きく異なります。

分類

定義

情報のアクセス権

流通の性質

未公開物件 

一般には公開されておらず、特定の人だけが知る物件

特定の不動産会社、またはその担当者の顧客のみ

完全にクローズドな情報なので、希少性が高い

非公開物件 

業者間で共有されるが、一般向けには広告されない物件

すべての宅建業者が閲覧可能。一般消費者は不動産会社に来店すれば見ることができる

一般向け広告は禁止。消費者は不動産会社に相談しなければ見られない

一般的に「ネットに出ていない物件」と言われますが、狙うべきは「未公開物件(完全クローズド)」です。 非公開物件は「来店すれば誰でも見られる」ものですが、未公開物件は「信頼できる顧客にしか見せない」情報だからです。

一般には見られない「業者間データベース」の正体

未公開物件は、誰でもネットで見られるわけではありません。情報は主に、不動産会社同士が使う流通システムから出てきます。国土交通大臣指定の「REINS(レインズ)」や、民間の「ATBB」という業者間データベースがその代表です。

レインズには市場に出る物件の約8割が集まりますが、業者専用で一般の方は見られません。ATBBにはさらに多くの情報があり、検索機能も充実しています。未公開物件の中には、レインズには載っていなくてもATBBには登録されているケースもあります。このように、物件情報は公開範囲が限られたシステムを通じて流れているため、初心者が自力で見つけるのは難しいのです。

媒介契約の種類と情報公開義務

不動産会社が物件情報を公開するかどうかは、売主と結ぶ媒介契約の種類で決まります。契約内容によって情報の公開範囲や未公開物件になりやすいかどうかが変わります。

媒介契約の種類

契約可能社数

契約期間

レインズ登録義務

報告義務

未公開物件になりやすいか

一般媒介契約

複数社可

3ヶ月以内

義務なし

なし

専任媒介契約

1社のみ

3ヶ月以内

契約締結から7日以内

2週に1回以上

専属専任媒介契約

1社のみ

3ヶ月以内

契約締結から5日以内

1週に1回以上

表からも分かる通り、一般媒介契約にはレインズへの登録義務がないため、売主が希望すれば情報を特定の不動産会社だけに限定できます。これにより、物件は完全に未公開の状態を維持でき、市場に未公開物件が残る大きな理由の一つとなっています。

さらに、専任・専属専任契約でも契約締結からレインズ登録まで数日間の猶予があります。この期間を利用して、不動産会社は自社の顧客にだけ情報を流すことがあります。これもまた、実質的に未公開物件となる仕組みです。

良い物件ほどネットに出てこない「売主の事情」

「広く募集したほうが早く売れる」と思われがちですが、実は隠したまま売るほうがメリットが大きいケースがあります。その裏事情を3つに整理しました。

なぜ売主はネット掲載を嫌がるのか?

「広く募集したほうが早く売れるのでは?」と思うかもしれませんが、店舗物件ならではの事情があります。

  • 従業員に知られたくない:「店が売られる=閉店・解雇?」とスタッフが動揺し、離職されるのを防ぐため。
  • 客離れを防ぎたい:「あの店、潰れるらしいよ」という噂が立つと、営業中の売上が落ちるため。

近隣への配慮とプライバシー

住み替え先が決まっていない段階で自宅の売却を知られたくない場合や、離婚・相続・任意売却などの事情がある場合、売主は広告を出さず、信頼できる不動産会社だけに紹介してもらいます。

テナント情報の保護

賃貸中の物件や店舗の場合、入居者やテナントに売却が知られると退去リスクがあります。特に店舗は経営不安の噂につながるため、情報は厳重に管理されます。

開発・建築中の調整

新築物件は建築確認や仕様、価格が確定していない段階では、トラブル防止のため一般公開されません。販売開始まで未公開扱いとなることがあります。

希少性の演出と市場テスト

都心の一等地や価値の高い物件は、あえて限られた購入希望者にだけ紹介されます。未公開期間を設けることでプレミアム感を演出したり、相場より強気の価格で反応を見るテスト販売として活用されます。

不動産業界の慣習「囲い込み」「両手仲介」には要注意

未公開物件の中には、売主の意向とは関係なく、不動産会社の利益を優先して情報が意図的に制限されるケースがあります。これが業界の慣習として知られる「囲い込み」です。

囲い込みが起こる背景には、「両手仲介」と呼ばれる仲介手数料の仕組みがあります。通常、仲介は売主か買主のどちらか一方から手数料を受け取ります(片手仲介)。しかし、両手仲介では売主と買主の双方から手数料を受け取るため、1回の取引で得られる利益は2倍になります。そのため、不動産会社は自社で買主を見つけたくなり、他社からの問い合わせに対して「商談中です」と伝え、物件情報を自社内だけに留めて扱うことがあるのです。

この期間中、物件は実質的に未公開の状態となります。売主にとっては販売機会を逃すリスクがありますが、長年業界に残る慣習として続いてきました。店舗や住宅の購入を検討する際は、この仕組みを理解しておくことが重要です。

【2025年法改正】これからの未公開物件はどう変わる?

2025年の法改正により、不動産業界の悪しき慣習である「囲い込み(物件隠し)」への規制が強化されました。

違反に対する罰則の強化

囲い込み行為は明確に処分対象とされます。虚偽の登録や更新を怠った場合、行政処分や業務停止、最悪は免許取消しの可能性があります。違反事業者名の公表も検討されており、社会的信用の低下リスクも高まります。

未公開市場への影響

法改正により、未公開物件市場には二つの動きが予想されます。

  • 偽の未公開物件の減少:囲い込みによる不当な未公開期間は減り、専任・専属専任媒介物件の透明性が向上します。
  • 真の未公開物件の増加:一方で、レインズに登録義務がない一般媒介契約を利用した完全未公開取引が増える可能性があります。囲い込み規制を避けるため、自社のみで売主に物件を紹介する動きが出るかもしれません。結果として、優良物件にアクセスするには、信頼できる不動産会社との関係構築がこれまで以上に重要になります。

その未公開物件、釣りかも?「おとり物件」を電話1本で見抜く方法

未公開物件という言葉には魅力がありますが、その裏には悪質な集客手法である「おとり物件」のリスクが潜んでいます。ここでは、典型的な手口と見抜くポイントを整理します。

おとり物件の実態と手口

おとり物件とは、架空の物件やすでに成約済みの好条件物件をあえて掲載し、客を店舗に呼び寄せる「撒き餌」です。

相場より極端に安い家賃や価格で広告を出し、問い合わせた客に「この物件は決まったが代わりにこれがある」と別の不人気物件を紹介する手口があります。また、「ネットには載せられない極秘物件」と称して、住所や物件名を伏せた情報をSNSやメールで送る場合もあります。存在しない物件で関心を引こうとすることも少なくありません。

おとり物件を見抜くためのポイント

未公開情報を安全に確認するには、具体的なチェック項目を意識することが重要です。以下のポイントを押さえることで、危険な「おとり物件」を見抜きやすくなります。

  • 現地集合の可否:「現地待ち合わせ」を拒否し、来店を強要する場合は要注意。物件が実際には存在せず、まず店に誘導したいケースがあります。
  • 住所の記載:詳細な番地や建物名がない場合は怪しいです。物件を特定されないように、意図的に隠している可能性があります。
  • 掲載期間:好条件にもかかわらず長期間掲載されている物件は不自然です。通常、人気物件はすぐに成約します。
  • 取引態様:「仲介先物(また貸しのような状態)」など、元付け業者(大家さんと直接つながっている業者)ではない情報には注意。
  • 写真の整合性:外観と内装の雰囲気がチグハグ、あるいは写真の使い回しがある場合、別物件の画像を流用しているケースが多いです。

おとり物件かどうかは、電話一本で9割見抜けます。問い合わせの際にこう聞いてみてください。

「現地待ち合わせで内見できますか?」

もし「一度来店してください」「鍵の手配が…」と言い淀んだら、その物件は存在しない(または紹介する気がない)可能性大です。本物の物件なら、現地集合を断る理由はありません。

未公開物件に出会うための3つの入手ルート

飲食店や小売店の出店を目指す方にとって、商業用物件、特に居抜き物件は情報の鮮度と入手ルートが勝負です。ここでは、未公開物件を効率的に探し、チャンスを逃さないための具体的な方法をわかりやすく解説します。

【Web】商業用物件専門のマッチングサイトの活用

商業用の未公開物件を探すなら、「退去NAVI」「居抜き店舗.com」などの商業用物件専門のマッチングサイトも活用しましょう。事業用物件は一般の住居用サイトでは情報が限られるため、専門サイトに登録することで、未公開物件の情報をいち早く入手できます。

登録の際は、希望条件をできるだけ具体的に設定しておくことが重要です。こうすることで、一般公開前の「新着情報」を受け取れ、他の出店希望者よりもスピード勝負で有利に立つことができます。

【アナログ】自分の足で稼ぐ

未公開物件の情報は、現場や関係者のネットワークから得られることも多いです。次のようなアナログな方法も、適宜活用しましょう。

  • 現地調査:閉店の張り紙や「テナント募集」看板を直接チェック
  • 業者ルート:酒屋や内装業者から「閉店予定」を聞き出す
  • 公的機関:自治体の「空き店舗バンク」や補助金情報を活用

意外な情報源「酒屋・おしぼり屋」ルート

店舗の閉店情報を誰より早く知っているのは、不動産屋ではなく「出入り業者」です。 特に酒屋さんや、おしぼりの配送業者さんは、店主から「来月で店を閉めるから配送止めて」という連絡をいち早く受けています。エリア配送のドライバーさんと仲良くなっておくと、表に出る前の情報を教えてもらえることがあります。

【プロ活用】未公開に強い仲介会社を使う

TEMPOLYなら、商圏データ付きで「勝てる物件」か即判断

TEMPOLYでは、単に未公開物件を紹介するだけでなく、その物件エリアの「人流データ」や「競合店の状況」もセットで提供します。 「家賃は安いが人が通らない物件」を掴まないよう、データに基づいた出店判断をサポートできるのが強みです。

未公開物件の情報を確実にキャッチしたい方は、TEMPOLYなどの未公開物件を多く所有する業者の活用もおすすめです。

ライバルに勝つ!担当者を本気にさせる「交渉テクニック」

不動産担当者も人間です。「口だけの客」より「準備ができている客」に優先して情報を流します。

初回の面談で「資金のエビデンス」を見せる

通帳のコピーや融資の内諾書を初回の面談で提示する。「良い物件があれば即金で払える」という証明になります。

紹介メールには「即レス」&「現地集合」を提案する

紹介メールへの返信が遅いと、次から連絡が来なくなります。

内見には必ず「決裁者(オーナー)」が行く

担当者に任せきりにせず、決定権を持つオーナー自身が内見に来ることで本気度が伝わります。

スピード勝負で勝つための買付証明書と契約の下準備

未公開物件を見つけたら、次に重要なのは契約までの手続きです。ここでは、契約前に押さえておきたいポイントをわかりやすく解説します。

買付証明書で優先交渉権を確保する

物件購入の意思を示す方法として「買付証明書」があります。これは正式な契約書ではありませんが、早い段階で提出することで優先交渉権、いわゆる“一番手”を確保できます。人気の未公開物件は早い者勝ちですので、内見後や条件を確認した段階で、迷わず提出することが重要です。

買付証明書に法的拘束力はありませんが、安易なキャンセルは禁物です。一度でも「とりあえず出してキャンセル」をやってしまうと、その不動産会社からは二度と良い情報は回ってこなくなると思ってください。ここぞという物件に絞ってスピード提出するのが鉄則です。なお、有効期限は通常1〜2週間程度に設定します。長すぎると売主に敬遠され、短すぎるとローン審査が間に合わないことがあるため、バランスが大切です。

事業用賃貸では事業計画が審査のカギ

店舗物件では、大家が重視するのは家賃を支払えるかだけでなく、どのようなお店を運営するかという点です。大家は「すぐに閉店して再び空室になるリスク」を避けたいと考えています。そこで、収支計画やコンセプト、ターゲット層などを具体的に示した事業計画書を提出することで、経営の安定性をアピールできます。

場合によっては大家との面談もあり、人柄や熱意も評価対象となります。特に近隣への影響(騒音や匂いなど)についての配慮を説明できるように準備しておくと安心です。また、居抜き物件の場合はグリストラップや電気・ガスの容量が十分か、必要に応じて専門家に確認しておくと、後から発生する工事費用を抑えられます。

まとめ|理想の店舗物件に出会うために

未公開物件探しは、情報の鮮度とスピードが命です。良い物件を逃さないために、明日から以下の3つを実践してみてください。

  • ネット検索だけでなく、未公開情報を握る「店舗専門」の仲介会社と繋がる
  • 担当者に「資金証明」と「即レス」で本気度を伝え、優先順位を上げてもらう。
  • おとり物件に時間を奪われないよう、現地集合でジャブを打つ。

まずはTEMPOLYで、あなたの希望エリアの未公開情報をチェックしてみてください。データに裏打ちされた「失敗しない店舗選び」をお手伝いします。

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