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コロナ禍に1年間で3店舗を展開したネオ大衆『恋愛居酒屋 メイコ』のヒット戦略

vol.4 恋愛居酒屋メイ子


 

2019年12月頃より猛威を振るった新型コロナウイルス。
飲食業界はコロナの影響を大きく受けている中、2021年3月に1号店となる「恋愛居酒屋 メイ子 難波店」をオープン。
続いて同年6月に梅田店、10月には3号店となる渋谷店を出店した。


「コロナ禍だからこそ今だと思って出店した」という発言の裏に隠された戦略とは――
オープンに携わった株式会社コズミックホールディングスの河口氏と恋愛居酒屋メイコ発案者の朝倉氏に話を伺った。


【恋愛居酒屋メイ子・純愛喫茶めいこ:建物外観】

 

コロナ禍での積極的な出店

恋愛居酒屋メイ子を運営している株式会社コズミックホールディングスは、グループ全体で約400店舗の飲食店を出店しており、その約半数を居酒屋業態が占めている。
2019年から暫くの間コロナ対策により、営業時間や酒類提供の制限がかけられた影響等によって、一時は売上が低迷した。そんな中で出店したのが恋愛居酒屋メイ子だ。

コロナ禍ということもあり、お酒を飲まなくても楽しめる居酒屋という業界でも新しいカタチに挑戦した。
そして従来まではグルメ媒体を使用して集客していたところからInstagram等のSNSを駆使し、居酒屋業態では取り込めていなかった未成年を含むZ世代の獲得に成功。もちろんターゲットに含まれていた、お酒を飲む20~30代の獲得も同時に成功した。

また、2021年11月には恋愛居酒屋メイ子渋谷店と同ビルB1階に株式会社コズミックホールディングスから新業態となる「純愛喫茶めいこ」という昭和レトロな喫茶も出店している。
年齢的に入店が難しく、居酒屋という業態にあまり馴染みのない10代や、”映え”に馴染みを感じない40~50代の層も取り込むために打ち出された店舗だ。
出店前は”恋愛”×”映え”で集客していたが、現在はそれに加え、”推し”×”映え”の推し活の場で有名となった。
出店当初の意向とは少々異なるが、推し活の場としてZ世代からその母親世代の幅広い層が純愛喫茶を訪れている。


【純愛喫茶めいこ:店内写真】

コロナ禍で酒類提供に制限が掛かっていたからこそ、お酒を飲まない層を取り込むことが出来ると考えた。そしてSNSを駆使し、2021年内に3店舗の出店を叶えることが出来た。

 

目的来店型店舗から見えてくる工夫

恋愛居酒屋メイ子、純愛喫茶めいこの両店舗は渋谷ヒカリエ裏に位置している。
渋谷の中でも道玄坂やセンター街は特に人通りが多く、両店舗がターゲットとしている層の集客が図れるはずだ。
しかし敢えていかにも若者がメインターゲットとなっている立地ではなく、繁華街から外れた立地で出店したのには出店者のある思いが込められている。
その思いとは、幅広い年齢層の方に恋愛居酒屋メイ子や純愛喫茶めいこを楽しんでほしいというものである。
前述した様に居酒屋や”映え”に馴染みのない層も気軽に店内に入りやすいよう、現在の立地を選んだ。

また目的来店型店舗である為、繁華街である必要性もない。
ただし目的来店型店舗のメリットとして出店場所をあまり選ばないことは挙げられるが、その反面顧客のロイヤルティが集客や収益に大きな影響を及ぼしてくることも事実だ。
SNSでの映えで集客していると顧客からの飽きが生じることは避けては通れない。また流行り廃りのサイクルも早い。
そこで、恋愛居酒屋メイ子の風物詩といっても過言ではないグラスに記載されている恋愛格言や、恋愛が絡んだメニュー名は全て恋愛居酒屋メイ子、純愛喫茶めいこ双方発案者の朝倉氏が考えている。その数100~200種類に及ぶ。
また店内が7つエリアに分かれていたり、バースデープラン等の企画や新メニューの開発、3店舗全て内装やメニューが異なる等、顧客を飽きさせない工夫がこらされている。

   
【恋愛居酒屋メイコ:店内写真】


   
【恋愛居酒屋メイコ:メニュー(一部)と料理(禁断の出会い、苺とモッツァレラ)】

 

自社による内装デザイン

内装に関しては、かしこまり過ぎず、カフェのようでもなくお客が居心地のよい昭和×韓国の居酒屋を意識されている。本社にデザイン会社(株式会社FND)を有している為、デザインから内装まで一貫して自社で行い、そのほとんどが手作りで作られている。
そしてお客の反応を見て内装を少しづつ変化させているようで、ここにも顧客に飽きられないような工夫が施されている。
また、仕事や恋愛等の様々な悩みはあるが、友人や知人という近い関係だからこそ話しづらいといった事は誰しもが経験したことがあると思う。
そういう人が一人で来て隣の人と仲良くなり、様々な相談や他愛のない話が出来るような交流の場としても利用して欲しいという思いもあり、カウンター席も用意されている。

 

今後の展開

今後はコロナも落ち着いてきて、以前は落ち込んでいた飲食店もあの手この手で再度盛り返してくるはずだ。
コロナが明けてきた今、SNSだけに重きを置き過ぎず、飲食店としても、そしてSNSからも両方から支持される店を目指していくと河口氏は語る。
また構想段階ではあるが他県にてメイコの出店を検討されているとのことなので、まだまだ今後の展開から目が離せない。

 


【店舗概要】

『恋愛居酒屋 メイ子』
定休日:なし
所在地:東京都渋谷区渋谷2-22-16 渋谷TRビル1F
営業時間:16:00~22:30(料理L.O. 21:30 / ドリンクL.O. 22:00)
TEL:03-3407-5666

 

『純愛喫茶 めいこ』
定休日:なし
所在地:渋谷区渋谷2-22-16 渋谷TRビルB1
営業時間:17:00~23:00
TEL:03-3409-1112

※上記は2023年5月時点の情報となります。
営業時間が変更になる可能性がございますので、詳細は店舗へお問い合わせください。

 


 

 

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