こんにちは!
貸店舗物件をお探しの皆さんは都市住民の生活を長らく支えてきた「商店街」という機能がどのような歴史を持っているのかご存じですか?
本日は日本の都市において商店街という機能がどのような変遷をたどってきたのかを、「商店街はなぜ滅びるのか」(2012年5月 新雅史)という著書を元にまとめていきたいと思います!
都市自営業者の増加
総理府(現在に内閣府)の「国民生活の世論調査」によると….
高度成長期の商工サービス自営業者は、ホワイトカラーと肩を並べて階級帰属意識が高く、所得、資産保有も多かったと言います。
高度成長期の1960年~1980年まで自営業者(農業込み)の数は安定していたが、農業に携わる層が急速に減少していきました。
つまり1960年代ではサラリーマンの増加と思われことが多いですが、増えていたのは雇用者だけではなかったのです。
規制緩和による影響
1980年代に規制緩和が進み、小売業の距離制限やゾーニング(土地利用規制)の緩和がその象徴となっています。
しかしこれにより様々な問題が噴出….
規制緩和で商店街を支えてきた酒屋、米穀店などの経営が苦しくなり商店が減少していきました。
一方でショッピングモールの増加で、顧客が吸い取られ商店街の崩壊を招くことになりました。
この問題は、車を持っていない人々が買物難民になってしまったという副作用も引き起こしました。
さらにショッピングモールの増加は、そのショッピングモールの雇用者の多くが非正規雇用者であるため、都市の雇用体質にも影響を与えてしまいました。
つまり….
小売業の規制緩和は、バブル崩壊後の雇用流動化の要因の象徴となっています。
発明された商店街
農業を離れ零細小売商となる流れの中で、都市はその流入人口の貧困化を防がなければなりません。そのためその零細小売商達を中間層化しようという試みの中で「商店街」という理念が形成されました。
つまり、商店街は伝統的なものではなく、近代日本社会の秩序形成の過程から生まれた人工物であると言うことです。
参考著書
「商店街はなぜ滅びるのか」(2012年5月 新雅史)
https://www.kobunsha.com/shelf/book/isbn/9784334036850
いかがでしたか?
皆さんは商店街が生まれるまでの背景をご存じだったでしょうか?現在貸店舗物件をお探しの方々も、すでに自分のお店を持っている方々も、商業を営む者としてこのような歴史は知っておいても良いのではないでしょうか!
今後もこういった豆知識を発信していきたいと思います!
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