VOl.3 鮨みうら
2022年の食べロググルメアワード 寿司部門にて百名店に選出された実力を持っている鮨みうらが、リニューアルオープンの為2022年9月30日に一時麻布十番店を閉店。
その約半年後、鮨みうらの移転先となった場所は、路面店にも関わらず歩道や車道からは全く視認出来ない奥まった立地でした。
取材を通して、今回の移転について、そして三浦氏のこだわりや展望をお伺いしました。
【MARBLE GALLERY CAFEの向かって左側にある階段を上ります】
【鮨みうらの建物外観】
『鮨みうら』出店希望条件 | |
賃料 | 30~45万円 |
エリア | 港区・渋谷区 |
業態 | 鮨 |
坪数 | 12~15坪 |
開業資金 | 約700万円 |
融資 | 有 |
引渡し状態 | スケルトン |
今回の物件に掛かった費用 | |
物件取得費用 | 約220万円 |
内装工事(厨房機器込み) | 約2,250万円 |
融資(銀行・公庫) | 約2,000万円 |
物件について
――今回赤坂エリアで出店した理由はなんでしょうか
まず元々麻布十番に店があったので、そこから離れすぎていないエリアである点と、うちに来て下さるお客様はタクシーでいらっしゃる方が多いので、タクシーで来やすい点を重視して出店エリアを港区と渋谷区に絞りました。
この物件は、上記の条件に当てはまっているおり、また前に通っている道路は赤坂や六本木、西麻布へ行く人の通り道になることが多い道なので理想の立地でした。
――なぜこのような奥まった立地で出店を決めたのでしょうか
私が約13年間修業させていただいていた、『菊乃井』や『鮨なんば』も路面店でありながら店舗が外からは見えない立地であったり、路面店であるにも関わらず基本予約のみで一見さんは入れないようなお店だったんです。
前職の経験から、ある程度店が有名になればこのような立地でも問題ない、そして敢えてこのような立地に店があるのは面白いのではないか思い出店を決めました。
また、この店の住所をグーグルマップで住所を検索しても正確な場所にピンが刺さらないんです。
「店がどこにあるのか分かりづらく少し迷いました」というお客様も少なくなく、こういったお客様とのコミュニケーションもうちの醍醐味かな、なんて思います。
物件について
――内装工事期間を教えてください
工事期間は約3ヶ月ほどかかりました。
動力の引き込みや、ガスは都市ガスが難しくプロパンガスにしたり、内装工事が進むにつれて追加工事や変更等を行い、想定していたより少し長くかかりました。
――内装のこだわりを教えてください
静岡まで買い付けに行った、カウンターに使用している檜の一枚板と、菊乃井の村田氏に書いて頂いた「直心」の額を飾るスペースを作ることにこだわりました。
檜の一枚板については、台湾檜であれば価格をもう少し抑えられたのですが、台湾檜と檜では木目が全く異なります。この檜があるだけで店がピシッとしまり、印象も変わってくるので、この点においてはこだわりました。
出店後について
――物件取得までに大変だったことはありましたでしょうか
ここの物件の前に申込を入れた時、物件オーナーから融資がおりてからでないと貸せないと言われたんです。でも物件を借りることができて、初めて融資がおりるので、その物件を借りることは断念しました。結果こちらの物件の方が自分の希望条件に合っていたので良かったですが、20代の頃からきちんと自己資金を貯めておけばよかったと痛感しました。
――出店されてから苦労されている点はありますでしょうか
人ありきの商売なので、自分を分かってくれている優秀な2番手がいた方がいいと思いました。お金はあとから付いてくるのでなんとかなりますが、人はそうはいきません。
もちろん人が潤沢にいるところは少ないですが、やはり1人では対応しきれず帰してしまうお客様もいらっしゃいますし、そういう従業員が1人でもいれば売上も変わってくると思います。
――他の鮨屋との差別化はどのように図っているのでしょうか
うちのコースは、和食もありながら鮨もお出ししています。鮨屋へいくと魚メニューがずっと続きますが、うちは女性が好むような、野菜や温かいものをメインに出している為、女性率が高いです。そういった点では他店と差別化出来ているのではないかと思います。
――今回の出店を通して感じたことがあれば教えてください
2つあります。
1つ目は「やりたいことは言い続ける」
言い続けているうちに、いつの間にかその道へ進むべき線路が周囲の人たちの手助けによって作り出されています。
2つ目は「飾らずに人に頼る」
私は真摯に物事に取り組む続けるを大切にしています。
そうすれば何かが起こった際に、周りの人が引き上げてくれます。
私自身、今回融資の件で悩んだ時がありましたが、様々な先輩たちに相談をしました。
先輩たちは皆同じ道で苦労してきていて、その苦労を知っているからこそ親身になって相談にのってくださり、アドバイスをくださいます。
真摯に物事に取り組み続けた結果、周りもそれをきちんと見ていて、評価してくれていていたからこそ困った時に助けてもらえたんだと思います。
逆もまた然りです。
今度は私が同じ道を歩んでいる後輩が困っていたら手を差し伸べたいと思っています。
上記2つに共通している、”人の持つ力”はとても大きいです。
これからも、「やりたいことは言い続ける」「飾らずに人に頼る」ことを大切にしていきたいと思います。
菊乃井の社長が掲げている「和食を世界に発信していく」という言葉に憧れて、菊乃井に入社したと語る三浦氏。
その信念は今も変わらず、自分に出来ることは何かを常に考えていらっしゃり、今後は海外展開も視野に入れていらっしゃるそうです。
今後の躍進から目が離せません。
【店舗概要】
・『鮨みうら』
所在地:東京都港区赤坂6-19-46 フォーチュンマレット赤坂1F
営業時間:【月〜土】18:00~23:00
※コース時間 18:00~、20:30~
TEL:080-6808-0020
※上記は2023年5月時点の情報となります。
営業時間が変更になる可能性がございますので、詳細は店舗へお問い合わせください。
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