スペシャルインタビュー 店舗開発

【スペシャルインタビュー】株式会社オオクシ 原氏に聞く、理容・美容業界の店舗開発事情

店舗開発スペシャルインタビュー

夏木元みなみ × 株式会社オオクシ 原部長

 

日本国内の美容室、理容室の数は約23万店舗を数え、実にコンビニの店舗数の約4倍以上にものぼる。
数少ない市場のパイを取り合う激しい過当競争の中、
千葉県を中心に42店舗のヘアサロンを展開する株式会社オオクシ
安定的な成長を続ける数少ない企業として知られています。

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人物紹介:原 英司
株式会社オオクシ 店舗開発部長

2002年:㈱すかいらーく入社。店舗運営・新規出店を手がける。
2009年より㈱オオクシ入社
前職の経験から、店舗開発を中心に、営業など幅広く担当。
趣味は野球観戦。無類の横浜ベイスターズ好き

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今回は、TEMPOLY MAGAZINEの客員エディターの夏木元みなみが、
リーズナブルな価格設定と消費者ニーズを捉えたサービス提供で
高い注目を集めるオオクシの店舗開発戦略に迫る。

 

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ー 出店場所の候補となっているエリアや不動産の調査から、開店までのプロセスをトータルに管理する店舗開発というお仕事は、経営上も非常に重要なポジションを担っていると思いますが、物件を探す上で一番気にしていることは何ですか?」

美容院を開く上で最初に気にしなくてはいけないのは設備の問題です。
美容院は水を大量に使うので、水道管の大きさ、
下水・排水に太さが条件を満たしていないと出店が難しい業態といえます。

あとはドライヤーなど大きな電気を使うので、
割り当てられている電気量が少ないところだとお店が出せません。

 

ー 良い出店場所の条件としてまず最初に何がポイントとなりますか?」

やはり人通りの多さですね。
路面店や普通のビルのテナントに出すときにはあらかじめ通行量の多さ、
商業施設に出す場合には施設の利用者量を見ますね。

 

ー 現在展開されている42店舗中30店舗はショッピングセンターの中に出店されていますがその理由はなんですか?

私は自分達のお店がそんなに高い集客力を持っているとは考えていません。
ショッピングセンターへの出店であれば、その施設自体が持っている集客力を効率的に使うことができますし、
たとえばリーフレットを配ったりする際にも、路上で配布するよりも施設内で配布する方が高い効果が見込めます。

またウチは最先端の美を売っているわけではなく「普段使いの美容室」という位置づけを目指していますので、
買い物ついでの主婦の方や、週末は家族で利用して頂いたりできる点が商業施設にお店を出すメリットですね。

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ー 出店するなら商業施設を狙えってことですか?

いや、商業施設は商業施設で大変なことも多いんですよ。(笑)
例えば月に何回かある施設内に入っているお店の店長会議とか。
これが噂によるとけっこう大変らしいんですよね。(笑)

 

ー 私も商業施設の店長会議が大変だというのは聞いたことがあります。(笑)

それにこれから建設されるショッピングセンターの場合は、
設計図面だけで話を詰めなくてはなりませんし、
かなり出店経験を積んでいないと判断を誤るというリスクもありますね。

あとは商業施設の場合、最もネックになるのは契約の問題ですね。
商業施設のテナントを借りる場合は、
路面店との契約と全く違って”定期借家契約”という契約を結ぶ場合が多いんですが、
これは正直言って借り手よりも貸し手のほうが強い契約なんですね。

たとえば特別な理由がなくても「出て行ってくれ」と言われたら出ていかなければいけないんですよ。(笑)

 

ー 定期借家契約ではどれくらいの契約期間になるんですか?

業種によっても違うと思いますが、
我々の場合は初期費用に比較的お金がかかるので、
だいたい5〜6年の契約を結ぶことが多いですね。

どんなに条件がよくてもそれ以下の年数だと契約しません。

 

ー あまり短い契約期間では初期投資の回収が難しいというわけですね。単刀直入にお聞きしますが初期費用はどれぐらいかかるんでしょうか?

物件や場所にもよりますが、
内装でいうと大体1,500万円〜2,000万円はかかりますね。

内装にこだわってお金をかけるお店もありますが、
我々は過度に煌びやかにおしゃれでもなく、かといってシンプルすぎない造りにすることで、
男性女性、両方のお客様にご利用頂きやすい環境作りを心がけています。

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ー それでもリーズナブルなお値段で利益を出すのって大変そうだな…と思ってしまうのですが、1日の集客目標とかはあるんですか?

集客目標というよりも、出店をする時点で、
設置する鏡1台につき月60~70万円ぐらい売上られるようにしようという目標はありますね。
8台鏡が設置してあったら500万円程度を目標に考えています。

 

ー 今後店舗開発する上で注目しているエリアはありますか?

今注目しているのは、浦安、新浦安ですね。

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ー 高齢化率が一番低くて、ファミリー層が多いからですか?

おっしゃる通りです。ニューファミリー層が多くて、
自分たちの業態を考えた上でも土地にすごくあってるんじゃないかと思います。

 

ー 千葉を中心に展開されているのに、むしろどうしていままで出店していなかったんですか?競合店が多いんでしょうか?

いえいえ。単純にいい物件が見つかってないんです。(笑)
やはり物件探しはタイミングや運もあるので常にチェックしてますね。

逆に美容院というのはコンビニの6倍の店舗数があると言われてますので、
近くに同業者がいるのは当然と思って出店しないと仕方がないんです。

 

ー 今後、千葉県以外のエリア拡大は考えていますか?

考えていないというわけではありませんが、
東京都内に出店となると今の業態では厳しいので、もし広げるとしたら埼玉や神奈川ですかね。

あまりエリアを広げすぎると人材確保の問題も出てきますので、
徐々に様子を見ながらといった感じでしょうかね。

 

ー これまで出店してきて失敗したな…という経験はあるんでしょうか?

今のところ、やっちゃったな…という経験はないのですが、当初の予測よりも集客ができなかった場合や、
逆に売り上げが上がりすぎてしまった場合も失敗ですね。

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ー 利益が出すぎてしまっても失敗なんですか?

そうです。オープン時にはこれぐらい、1年後にはこれぐらい…と、
売上が予測通りに進んでいくのが一番理想ですし、
店舗開発をする上ではそれが成功と言えると思います。

 

ー では最後に今目の前にある課題と今後の目標を教えて頂けますか?

店舗開発の立場で言えばやはり物件探しが大変ですが、全社的な課題としては人材確保ですね。
近年は美容師を志す人の数が減っていますし、競合も多いので、常に募集はしている状態です。

きちんとした技術とサービスを提供できる美容師の定着が、お客様の定着につながると考えていますので。

確かに低価格でサービスは提供させて頂いていますが、
カット1,000円のような超激安店と比べると価格で勝負をしているわけではないので
そこは大切にしています。

 

ー それでは最後に目標をお聞かせ願えますか?

当初は店舗を60まで増やすことを目標にしていたんですが、
それがもう見えてきてしまっているのでどうしましょうかね。(笑)

 

ー じゃぁ単純に2倍の120店舗を目標にするのはどうでしょうか?(笑)

いやいや(笑)とにかくしっかりしたサービスを提供しながら
きちんとした利益を出せるお店を沢山出店していくことが目標というか、
それが店舗開発を担う私にとっての使命だと思います。

 

今日はお話聞かせて頂きありがとうございました!

 

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